世界で一番【あほの坂田】

世界で17 ページ19

A サイド

廃墟のような倉庫にたどり着いく。
　
し「ずいぶん遠かったなぁ」

ぐっ、と体を伸ばす志麻は怠そうに言った。

さっきまで焦ってくせに。

『んじゃ、行きますか』

小さな爆薬を倉庫に投げ込む。

ﾄﾞｫｫﾝｯ、と破壊される音が響いた。
　
『がんば』

志麻の背中を軽く叩いて私はセンラの救助に向かった。
　
相手が誰かは私も志麻もわかってる。

まったく、過去に組織を潰されてまた襲いにかかるなんて馬鹿なことをするやつもいたもんだな。

目の前で気絶しているセンラの隣に一人の男がいた。

「ん？お前こいつの従者じゃねぇな？」

こっちに気づいた男はナイフをセンラの首元につけた。

『、、、、。』

「こいつの命がおしければおとなしくしてろ」

私はその言葉を無視して歩き出す。

一歩、一歩と近づく。

「おい、聞こえなかったのか！」

力を入れたのかセンラの首から少し血が出てきた。

『かまわん、私の主人ではないからな』

そう、私の主人ではない。

だから、どうなろうが関係ない。

「くるな！！！」

センラの首をかき切ろうとした男の体が瞬きをした瞬間壁にうちつけられていた。

し「A、センラさんに傷がついてるんやけど」

ジロリ、と殺気丸出しで睨まれるが怖くない。

『死んでないし』

軽く手当をして、3人で倉庫を出る。

そして倉庫を完全に消し飛ばした。

中の人ごと。

し「センラさんっ、！」

すべてが終わったあと志麻はセンラを揺すって起こそうとするがまったく目が醒めない。

し「センラさっ、」

ボロボロと涙を流す志麻はセンラの首元に頭を埋めた。

せ「っ、んぅ、？」

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