世界で一番【あほの坂田】

世界で12 ページ14

A サイド

『そんなことで喧嘩したのか？』

そう言うと志麻は私の胸ぐらを掴んだ。

し「そんなことってなんやねん、、！！！」

志麻は一瞬悲しそうな顔をして私を睨みつけた。

『お前が毒を心配するのはセンラ様が昔信頼しているやつに毒をもられたからだろ？』

そう言うと志麻は私から手を離して小さく頷いた。

う「え、？」

何も知らない坂田とうらたは驚いていた。

でも、あれはもう何年も前だ。

私達が4歳くらいのとき。

『一ヶ月意識不明、目覚めたあとの高熱、ふらつき、筋肉の不随意運動、麻痺や全身性の痙攣、後遺症が残らなかったのが奇跡、たしかにあんなこともあれば警戒はするだろうな』

その時の症状をスラスラと言えば志麻は震えていた。

ぎりぎり、と爪が手に食い込んでいて唇を噛んでいた。

し「俺が、守らなあかんねん、父上様と、約束したんよ、センラさんを守るって、たとえ、命を落とすことになろうとも、」

『やくそく、ね』

＿＿＿＿＿＿『俺とAの約束!』

し「あのときの恩を俺は返さなあかんのや」

志麻は、貧しいところに住んでいて昏睡状態だったところをセンラにたすけてもらった。

その恩は志麻は全身全霊でセンラに返そうとしている。

どんなに自分がひどい目にあおうとも。

そのとき、携帯の着信音がリビングに鳴り響いた。

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