シングルマザーですどうも。 (ページ2)

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Aside。

『妊娠してますね。』

静かな病室で医者に告げられた言葉。

子供を授かったという喜びと不安が入り交じる。

早く報告しなきゃ…！

そう思い病室を出て

父親となる相手に電話を掛ける。

「もしもし、」

『もしもし？』

聞きなれた彼の声。

「妊娠したって！」

この声が一生聞けなくなるなんてその時は思ってもいなかっただろう。

『は、妊娠…？』

「そう…だけど？産んでいいよね？？」

『お前産んでどうすんだよ。下ろせ。』

突然豹変する彼の態度。

「なんでそんな簡単に言うの…」

ため息混じりに聞こえる彼の声。

『下ろさないなら別れるからな？』

別れる…？

「は、？」

驚きで言葉が出ない。

『だーかーらー、金はどーすんの？俺もお前も稼げんの？』

「学校辞める…しかないよね。」

学校やめて就職するしか、

と、考えていたが彼の言葉には呆れた。

『俺学校通いてーし？産むなら勝手に産んでどうぞ。』

そう言うと一方的に切られる電話。

呆れて言葉も出ない。

どれだけ無責任なんだろう。

その場にへたり込む私。

この子を産んで幸せな家庭を築きたかった。

『産むなら勝手に産んでどうぞ。』

彼の言葉が頭の中でリピートされる。

涙が止まらなかった。

こんな無責任な行動で授かった子供…

要らない。

なんて言えなかった。

産んであげたい。

下ろせばどれだけ楽なのかはわかる。

でもその罪悪感に勝てる気がしない。

どれだけ辛くてもこの子を産んで私の手で育てたい。

そう決心し、

私は子供を生むことに決めた。