苦いチョコレート。 ページ40
年が明けて、学校が始まる。
僕たちにとって、最後の三学期。
一般入試まで、あまり日も残ってない。
クラスメイトたちは、推薦やAO入試などでもう既に進路が決まっている人がほとんどだ。
僕やとんち、あと数名が一般入試を控えているだけの状態で。それを気遣ってか、クラスメイトたちは休み時間中に黙々と机に向かう僕たちのために静かに過ごしてくれていた。
｢はぁ…入試嫌やな…。｣
授業も終わった放課後、図書室でとんちと一緒に勉強をしているとついネガティブな言葉が漏れだす。
｢…そんなん言うても、もう日にちないんやしやるしかないやろ。今更就職先なんか見つからんし諦めろ｣
｢分かってるんやけど…。もし、落ちたらどうしようって思ってな｣
一度その思考になると、どんどんと深いところまで落ちてしまう。抜け出せない。
｢そんなしょうもないこと考えてんと、目の前にあるもんはよ片付けろや。時間の無駄やぞ。｣
視線を合わせることも無く黙々と手を動かすとんちの冷たい言葉は、真っ直ぐと胸に突き刺さる。
｢ごめんな、トントン。今日はもう帰るわ。頭冷やす｣
そう言って広げたノートを乱雑にリュックに詰め込み図書室を後にする。
僕らしくない、入試前で気が立っているんだろう。
落ち着け。不安でネガティブになっとるだけや。
そんなこと、誰よりも自分が一番分かってる。
今やらなあかんことは、何やねん。
勉強やろ。それ以外のこと考えてる暇なんかない。
まだ、日が暮れるような時間ではないはずなのに空は暗く冷たい風が頬を撫でた。
｢…はよ、家帰ろ。｣
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ちぇる(プロフ) - 白ごまさん» コメントありがとうございます！ (2021年4月19日 19時) (
レス) id: 2136318bfb (このIDを非表示/違反報告)
白ごま(プロフ) - 甘酸っぱい両片思いでもうずっとキュンキュンしてました。完結おめでとうございます！ (2021年4月18日 4時) (レス) id: bba1a3ae28 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇる(プロフ) - �世気�» コメントありがとうございます！ (2021年3月12日 20時) (レス) id: 2136318bfb (このIDを非表示/違反報告)
�� - キュンキュンする（真顔） (2021年3月12日 18時) (レス) id: 86f4624805 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇる(プロフ) - メロンパンさん» コメントありがとうございます！ (2020年12月1日 19時) (レス) id: 2136318bfb (このIDを非表示/違反報告)
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