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***
ニヤニヤと人の悪い笑みで私を見るトントンに睨みを効かせればそっと手を離した。
そうこうしている間にグルッペンのスピーチは終わったのか、とんでもない大きさの拍手に包まれた。
tn｢ほら、終わったみたいですよ｣
『言われなくても分かるわ』
gr｢A嬢、俺のスピーチはどうだった？｣
『見事でしたわ。流石です』
期待に満ちた目で帰ってきた彼は、私にどうだったかと聞く。正直ほとんど聞いてなかったけど、この人は案外扱いやすいため褒めておけば何とかなるだろう。
実際に機嫌を良くしたのか口角が上がったままだ。
しかし、どうしてここまで気に入られているのかは分からない。
俗に言うおもしれぇ女とでも思われているんじゃないかしら。そうじゃなきゃ、こんな女と婚約なんてしない。
gr｢A嬢くらいだ、そうやって褒めてくれるのは｣
『そんなことないと思いますけど…。ねぇ、トントン』
tn｢いや、A様くらいですねぇ。この人ほんまろくな事せんから｣
gr｢ほらな？｣
専属の騎士にここまで言われてていいのか次期国王候補…。
苦笑いをこぼしていれば、今度は私の名前が呼ばれ慌てて舞台へと飛び出した。
『まず、新入生の皆さん。ご入学おめでとうございます。ご紹介にあずかりました、A･アーデルと申します。』
簡単な自己紹介をし、つらつらと暗記した言葉をさも今考えながら話しているように連ねる。
さっきトントンに言われた言葉を思い出し、最後の最後で取って付ける。
『あぁ、それと。さっきスピーチをしていたグルッペン･フューラーは私の婚約者ですので、頭のいい皆さんならわかるかと思いますが…。皆さんにとって良い学園生活になりますように。』
しっかりと釘を刺しておかないと、夢見るご令嬢たちが馬鹿なことをしてしまう。
ちゃんと全員いるところで言ったのだから、今後私の忠告を無視した生徒はしっかりとその身をもって罰を受けてもらわなければ。
gr｢見事なスピーチだったぞ。｣
『お褒めに預かり光栄ですわ。』
gr｢A嬢も俺と同じように思ってくれていて嬉しい。普段あまり表に出さないからな｣
『あら、何の事ですの？早く帰りましょう。疲れました。』
彼の言葉を無視して体育館を無視する。
慣れないことはするものじゃないなと痛感した。
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ちぇる(プロフ) - かなさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけて本当に嬉しいです。こちらこそ読んでいただきありがとうございました！ (2022年10月31日 18時) (
レス) id: f71e4746a6 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - 完結おめでとうございます〜！！悪役令嬢もので1、2位を争うくらい好きで、夢主ちゃんの性格も本当に好きでした！！楽しい時間、ありがとうございました！ (2022年10月31日 18時) (レス) @page47 id: 139b3f8cfd (このIDを非表示/違反報告)
ちぇる(プロフ) - あいかわさん» コメントありがとうございます！楽しんでいただけてよかったです！ (2022年10月31日 14時) (レス) id: f71e4746a6 (このIDを非表示/違反報告)
あいかわ(プロフ) - 完結おめでとうございます！最後まで楽しく拝読させていただきました。これからのご活動も陰ながら応援しております！ (2022年10月31日 12時) (レス) id: 339f3cd750 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇる(プロフ) - ゆるぽろうさん» ありがとうございます！ずっと悪役令嬢ものは書きたかったので、今回書けて良かったと思っています！ (2022年8月18日 8時) (レス) @page4 id: f71e4746a6 (このIDを非表示/違反報告)
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