久しぶりの ページ46
***
のそのそと起き上がった彼らは虚ろな目をしていたけれど、夜中に帰ってきたのならあまり睡眠も取れていないからだろう。起こしてよかったのだろうかと今更思う。
『あの、まだ眠いですよね。すみません、起こしちゃって…。』
zm｢いや、ええよ。腹減っとるし｣
kn｢ふぁ…もうちょっと起こし方なかったんか｣
sha｢起きひん方が悪いんやろ｣
私が起こしたのは結局シャオロンさんだけだし、みんな目覚めが悪そうだ。
『とりあえず、顔を洗ってもらえますか？居間で待ってますね。』
kn｢おー｣
彼らを洗面所へ促して一人居間へ向かう。組員の人たちも眠っているらしく声は聞こえないけど、日常が戻りつつある。危険とは全く縁のない私が、初めてヤクザの人たちと関わりを持って、心配すらする関係になったなんて。
『ただいま戻りました』
ci｢おかえりー。どうやった？起こせた？｣
shp｢中々起きひんかったやろ｣
『シャオロンさんだけ起こしてあとはお任せしました』
目覚め最悪やなぁなんて笑いながらも、彼らは本当に楽しそうだ。
二人と談笑していればぞろぞろと彼らが部屋に入ってきて、机上の皿たちに視線を向けた。
zm｢ちゃんとした飯や…｣
kn｢言うて俺ら毎日飯こそ食ってたけど、美味いとか何も考えんと食ってたしな。｣
sha｢出来たてや…！｣
『お疲れかと思いますが、ご飯だけはしっかり食べてくださいね。』
確かに彼らにおにぎりは食べてもらってたけど、冷たいしそれしか包めなかったから物足りなかったんだろう。ちゃんと暖かいご飯を出せて、私も満足しているし彼らも嬉しそうだ。
『…あれ、トントンさんは』
os｢トントンやったら多分、オヤジさんのとこちゃうかなぁ。ま、後でちゃんと来ると思うで｣
ht｢俺らはさっさと温かいうちに食べよう｣
大して気にもせず｢いただきます｣と口々に言った彼らは先に食べ始めた。
os｢気にせんでも大丈夫やから。ちょっと話しとるだけやで。ほら、Aちゃんもはよ食べ？｣
『は、はい。いただきます…』
気にはなるけれど、彼らがみんな口を揃えて｢大丈夫｣と言うのなら大丈夫なんだろう。彼の分はラップしておけばいいかな。
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