おはようございます ページ45
***
台所で一人朝ごはんを作っていれば、ショッピさんとチーノさんが顔を覗かせる。
『あれ、どうしました』
shp｢あの人らまだ起きてへんで｣
ci｢疲れて寝とるねんなぁ｣
それはそうか。流石にずっと寝てないわけではないだろうけど、気を抜けないし緊張状態が続けば精神的にも身体的にもボロボロになる。
彼らは悪い顔をして私に向き直った。
shp｢もうすぐ作り終わるやろ？運んどくから起こしに行ったってや｣
ci｢声かけるだけやったら起きひんと思うで。近くまで行って叩き起してきてな！｣
『え、あの…』
shp｢もうええんちゃう？はい、行った行った｣
台所から追い出されてしまった。仕方ない、起こしに行くか…。
と言っても、彼らの部屋には片手で数えられるくらいしか行ったことがない。
道は不安だったが、何とか辿り着いた。
『…入っていいのかな。』
彼らは再三確認したくなるが、ヤクザなのだ。たとえ同じ屋根の下暮らしている私でも、敵だとみなされて地面に押さえつけられたりしないだろうか。
『いや、彼らにはまずご飯を食べてもらわないと』
腹を括って襖を開ける。
『…うわぁ』
もはや、布団でちゃんと寝ている人は少ない。ほとんどの人たちが畳にそのまま倒れている。
チーノさんが声をかけるだけじゃ起きないって言ってたけど、流石に起きるんじゃないかなぁなんて淡い期待を持っていた私もいました。
『本当に起きない…。』
幾度となく声をかけたけど、一切起きる気配がない。体を揺すった方がいいのだろう。よし、一人一人起こしていこう。まず、近くで寝てるのはシャオロンさんだ。
『シャオロンさん、朝ですよ。起きてください』
sha｢んー…まだねる……｣
『朝ごはん出来てますよ』
sha｢…A？なんでおるん…｣
まだ完全に起きてはないようだけど、私の声だとは認識出来たらしい。彼はゆっくり起き上がって周りを見渡す。
sha｢うわ…俺も布団で寝てへんやん。ありがとう、起こしに来てくれたん？｣
『ショッピさんとチーノさんに起こしに行ってくれって頼まれたので。みなさんお疲れだとは思いますが、腹ごしらえはした方がいいですし』
sha｢せやなぁ…。俺も起こすん手伝うわ｣
それからはもう早かった。シャオロンさんが容赦なく叩き起して不機嫌オーラを出したのもつかの間。私の姿を認識すると慌てだして起きだした。
『とりあえず、朝ごはん出来たので…』
｢…ありがとう｣
気まずいな。
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