【d!】最低な祝福、キスを落として。 (ページ2)

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最悪の出会いページ2

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大学二年目の春。一年目は必死に食らいついて全ての単位を取り終えたし、二年目だからこそ自分の興味のある分野でとろうと毎日楽しい日々を過ごしていた。
自分の興味のあった講義の先生が、あまりに変わり者のために少し遅い時間帯に受けることになった。
それでも、何だかんだ面白い授業だし苦ではない。

今日も、何もなく家に帰ろうと人通りの少ない正門を潜れば真っ黒なワンボックスカーが目に入る。
迎えの車、にしては怪しい雰囲気だし視界に入れないようにしようと顔を背ければ、扉が開かれた。

音のした方に視線を向けてしまう。全身真っ黒の、背の高い男の人がゆっくりと近づいて来て…。

？｢…お前が田中Aだな。｣
『え、あの…どちら様で…？』
？｢お前は両親に売られた。俺たちの組が預かることになっている。｣
『は？売られ…え？』
？｢聞き分けの悪い子だな。連れて行け｣

いつの間にか降りてきていたらしい、二人の男の人に両脇を固められる。声を上げる間もなく車に押し込められた。人間、本当に怖いと声が出ないというのは本当らしかった。

荷物も押収されてスマホも取られた。助けを呼ぶことも出来ない。なるべく触れないように身を縮めていれば両脇に座る二人がおかしそうに笑う。
何が面白いんだ。いきなり捕まえられて怖いのなんて当たり前じゃないか。…両親に売られてショックだって受けているし。

？｢そんな怖がらんでも｣
？｢せやぞ。怖がっとってもお前は俺らから逃げられへんからな。｣
『ひっ…』
？｢余計怖がらせてどうするねん！｣

きっと、この人たちは普通の人じゃない。こんな黒ずくめな人そういないし。これから、私はどこに連れていかれるのか。臓器でも売られるのだろうか。