【91】馬鹿 ページ41
米津 side
Aが起きてからというもの
『退院します』
「明日までせめて待ってください!」
看護師さんとそんな会話を繰り返している。
まふくんやみんなで「我慢」と言っているのだが
『どうしても』とノートパソコンで動画をアップ。
そして今。
「代官山公演と群馬公演は休み」
『大丈夫です、いけます』
3日の眠りから覚めた今。
ライブは出れる、できると言い張っているAに流石のまふくんも怒っていて「起きたばっかでしょ!」と説得している。
幸い、倒れた原因は過労。
普段の学業に加え、歌い手の活動、作曲、ダンスも本格的に始めたり、色々なことがありすぎていたのは確かだ。
それに彼の投稿時間を見れば深夜に
「おやすみなさい」とツイートしていたりファンとの交流も欠かしていなかった。
ピースの活躍に目を奪われてばかりで、ここにいる全員が彼自身を見る時間は減っていた。
「俺がしっかり見ていればよかった」
『…違います』
「いいや。この世界に引き込んでおいて、面倒を見きれていなかった」
『違う!』
叫んだ声は苦しい。
いつもの花が咲き誇る様な声ではなく
ぐしゃりと音を立てて潰れた果物の様な声だ。
「だったら、自分のことをもっと自分で考えろ」
まふくんや、そらるくんが驚いている。
普段あまり怒ることのない僕。驚くのも当然だ。
「自分の体調を管理しなさいって、そらるくんにも言われてるはずだし、身体が追いつかなかったら元も子もない。
学校生活に支障が出るのはsouくんも同じ。絶対ダメなんだよ。
だから、休んだ分の学力を日曜までに取り返すって約束できるなら、ライブも活動も再開していい」
僕が微笑むと、彼は『ごめんなさい』と泣いた。
そして病室には安堵の笑顔が響いた。
「...怖すぎ」
「あはは」
「あははってアニメか!」
___
A side
『ありがとうございました』
翌日。僕は看護師さんに見送られて、送られてきた住所を元にそらるさん家に向った。
家に着くとそこにはまふさんもいて、
「見張ります」
と、鞄を略奪された()
するとまふさんは、どこからか僕のノートと学校の教科書を取り出し勉強会が始まった。
聞けばsouさんから同じクラスの子に聞いてくれたのだとか。有難い。
勉強を始めて2時間。
「すごい、今日で数学と理科、英語は終わるね」
『国語と社会は好きで予習してあるので…』
「後は、休んでた間の音楽だね」
…僕は逃げ出した←
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雨音(プロフ) - 柊さん» ありがとうございます!がんばります!! (2020年2月22日 22時) (レス) id: 36e1edc774 (このIDを非表示/違反報告)
柊 - とっても面白いです!応援してます! (2020年2月22日 19時) (レス) id: 6c7d5f5114 (このIDを非表示/違反報告)
雨音(プロフ) - らんさん» 運命ですね。 (2020年2月9日 21時) (レス) id: 36e1edc774 (このIDを非表示/違反報告)
らん - 私の学校に 加藤 晴也 って名前の人いる! (2020年2月9日 18時) (レス) id: 665c5b97f1 (このIDを非表示/違反報告)
雨音(プロフ) - 蒔さん» ご拝読ありがとうございます!頑張ります!! (2020年1月21日 14時) (レス) id: 36e1edc774 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨音 x他1人 | 作成日時:2019年12月27日 16時