【80】風 ページ30
nqrse side
新しい
車の扉がコンコンと鳴り
ドアガラスの向こう側にいるピースくんのオーラは忘れないだろう。
そのオーラは春に吹く暖かい風のようで、
それに靡いて揺れる桜の様で。
一瞬で、目を奪われる何かを彼は持っていた。
そんな彼の噂は概ね、色々なところから聞いていた。
凄い子がいる。
ハチさんの弟子だ。
そんな噂を耳にした時、恵まれた彼に俺は嫉妬した。
俺だって、俺だって、
俺だって____
そう、思ってしまったんだ。
そんな自分が情けなかった。
でも彼を見た瞬間、瞬時に感じた。
「この子には、勝てない」
この子はきっと
沢山の人から嫉妬も期待も受けているのだろう。
僕が感じているのはきっとその両方だ。
『nqrseさん?』
「あっ、えっと、なんだけっけ、」
『信号青です』慌てて信号をみて、車を発進させた。
___
数時間前。会議が始まって数分だった時の事だった。
「東京公演と、静岡公演、ピースを…出すことは出来ませんか?」
そらるさんが、珍しく口を開いた。
普段、こうした意見を出すことは少ないそらるさん。
そんな人がいう子。僕は思わず言葉を発していた。
「ピースって、半年経たないで10万人突破した子でしたっけ」
「そうそう。生歌も上手くて、ギターも上手な子だよ。」
へぇ、と他の人から声が上がる。
するとまふまふさんは少し悩んだ顔をした後携帯を取り出す。
「話だけ、してみましょうか」
まふさんが電話をかけて、数分。
戻ってきたまふまふさんはすっごい笑顔で言う。
「よし、nqrseくんピースの迎えよろしく。」
期待の、風。
そんな彼を僕は迎えに行くことになったのだ。
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雨音(プロフ) - 柊さん» ありがとうございます!がんばります!! (2020年2月22日 22時) (レス) id: 36e1edc774 (このIDを非表示/違反報告)
柊 - とっても面白いです!応援してます! (2020年2月22日 19時) (レス) id: 6c7d5f5114 (このIDを非表示/違反報告)
雨音(プロフ) - らんさん» 運命ですね。 (2020年2月9日 21時) (レス) id: 36e1edc774 (このIDを非表示/違反報告)
らん - 私の学校に 加藤 晴也 って名前の人いる! (2020年2月9日 18時) (レス) id: 665c5b97f1 (このIDを非表示/違反報告)
雨音(プロフ) - 蒔さん» ご拝読ありがとうございます!頑張ります!! (2020年1月21日 14時) (レス) id: 36e1edc774 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨音 x他1人 | 作成日時:2019年12月27日 16時