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〈プルルル……〉
暫くすると、電子音が聞こえてきた。僕の鞄からではない。となると、母のものだろう。案の定、母は駆け足でそちらへ向かった。
「はい、もしもし！……あ、お疲れ様です！」
先程の濁声とは打って変わって女性らしい猫撫で声に、吐き気がする。――まあ単純に殴られた所為かもしれないが。
母は電話をしながら玄関へと向かっていった。もう出ていくのだろう。誰もいなくなった空間に、自分の息遣いだけが聞こえる。
「はぁ……いやぁ！僕めっちゃ愛されてるなぁ！！」
はははっと乾いた笑い声が響く。そんなことをしても、やはり心に渦巻くモヤモヤは消えることを知らない。「寒いときに暑いと言うと本当に温かくなる」と言っている人がいた気がする。けれどそれで本当に結果が出るものなのだろうか？現状がそうなら、いくら妄想を働かせてもそうはならないだろう。現に全くいい気分にならないし。
「…………はぁ。バイト行こ」
頬を伝った涙を拭い、部屋に向かう。ガーゼを付けるのも面倒くさい。もうこれは通勤途中に転んで怪我したってことにしよう。
普段着に着替えて鞄を持ち、玄関の扉を開ける。……今日のご飯は何にしようかな。
「あ、Aくん……って、どうしたん！？そのほっぺ！」
「あ、転びました……」
バイト先の先輩、伊藤さんに出会うや否や心配される。彼女は僕のことをとてもよく気にかけてくれる人だ。まあ僕が年下で後輩だから、姉のような気持ちなのだろう。確か僕と同じ年の弟がいるって言っていたし。
「もう……Aくんは顔整ってるんだから大事にせなあかんよ？」
そう言って笑う伊藤さん。――まさか、彼女にもそんなことを言われるとは思っていなかった。そりゃ、僕自身顔が良い事は知っている。だって僕の妹はめちゃくちゃ可愛かったし、近所の人にはその妹とよく似ていると言われていたから。今も、そう言われるのだろう。――まあ、妹が生きていればの話だが。
「……ありがとうございます」
治まったはずのモヤモヤがまた心を支配していく。それを吹っ切るように笑顔でそう伝えた。すると彼女はどこかそわそわしながら仕事に戻っていく。……一体何だったんだろう？
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眠井さん - みっくす13。さん» みっくす13。さんおはこんばんにちは！ありがとうございます！とても励みになります！失踪しないように気を付けたいと思います…(笑) (2020年5月19日 8時) (
レス) id: e5ab6b52a6 (このIDを非表示/違反報告)
みっくす13。 - (ｷｷｰｰｰｯｯ！！)おはこんばんにちは！みっくす13。と言う者です！この小説、面白いです！ゆっくりで良いのでこのまま続けてくれると幸いです！では、以上!(ﾌﾞﾛﾛﾛﾛﾛﾛﾛﾛﾛﾛﾛ…) (2020年5月19日 1時) (レス) id: ebaa9545e3 (このIDを非表示/違反報告)
眠井さん - くずをさん» ありがとうございます！自分の妄想を形にしているだけではありますが、皆様に評価されるような小説を書いていけるよう努力します！更新頑張ります！ (2020年2月29日 22時) (レス) id: 2b50fcc9a8 (このIDを非表示/違反報告)
くずを - 好きです！もっと評価されるべき！次の更新待ってます！ (2020年2月29日 11時) (レス) id: f3d3ee67c0 (このIDを非表示/違反報告)
眠井さん - チョコレートさん» ありがとうございます！！なるべく早く更新できるように頑張ります！！ (2020年2月19日 16時) (レス) id: 2b50fcc9a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：眠井さん | 作成日時：2020年1月25日 0時
