検索窓
今日:2 hit、昨日:9 hit、合計:211,517 hit

14話 ページ16







A side





どうして、なんで?



『ねぇ、さとみくん…なんで、止めちゃうの?』



意味がわからない。



悪い子は居なくならないといけないのに…

私は生きていちゃいけないのに…



さ「やっぱり、自傷行為をしてたんだね。」



さとみくんの口から発せられる低い声に肩が震えた。



『さ、さとみくんには、関係ないじゃん…私がどうしようと…。』



さ「何かあったのなら聞くよ。俺に話して。」



さっきとは違う、今度は優しい声でさとみくんが言った。



『何も無いっ…さとみくんに話すことは何もないよ…』



違う。

何も無くない。

話したいことがいっぱいだ。

私の気持ちを聞いて欲しい。

私を認めて欲しい。

私のことを、私自身を見て欲しい。



私を…



『誰かに…愛されたい…!!』

さ「っ!!…」



さとみくんは、私をゆっくりと抱きしめた。
優しく、まるで壊れ物を扱うように。

優しく背中に腕を回してくれる。



『ッ…!! 』



久しぶりに感じた誰かの体温に、涙が溢れた。



さ「大丈夫。ここには俺とA、2人しかいない。泣いていいよ。」



声を押し殺して涙ばかりを流していた私は、声をあげて泣いた。



さとみくんの背中に腕を回して、ギュッと離れていかないように、力いっぱい抱き締めた。



こんなに泣いたのは、誰かの前で泣いたのは、
久しぶりだった。





15話→←13話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (150 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
429人がお気に入り
設定タグ:すとぷり , ころん , 歌い手
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

K - おつころと書かれていますが正しくはころおつです…でもでも、めちゃめちゃ面白かったです♪ (2020年1月13日 23時) (レス) id: 5f56a1975b (このIDを非表示/違反報告)
あーと - 最近、時間の合間に見てます!更新頑張ってください!絶対最終話まで見ます(゚∀゚) (2020年1月13日 21時) (レス) id: 86c077b51d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:餅月 | 作成日時:2019年12月28日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。