14話 ページ16
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A side
どうして、なんで?
『ねぇ、さとみくん…なんで、止めちゃうの?』
意味がわからない。
悪い子は居なくならないといけないのに…
私は生きていちゃいけないのに…
さ「やっぱり、自傷行為をしてたんだね。」
さとみくんの口から発せられる低い声に肩が震えた。
『さ、さとみくんには、関係ないじゃん…私がどうしようと…。』
さ「何かあったのなら聞くよ。俺に話して。」
さっきとは違う、今度は優しい声でさとみくんが言った。
『何も無いっ…さとみくんに話すことは何もないよ…』
違う。
何も無くない。
話したいことがいっぱいだ。
私の気持ちを聞いて欲しい。
私を認めて欲しい。
私のことを、私自身を見て欲しい。
私を…
『誰かに…愛されたい…!!』
さ「っ!!…」
さとみくんは、私をゆっくりと抱きしめた。
優しく、まるで壊れ物を扱うように。
優しく背中に腕を回してくれる。
『ッ…!! 』
久しぶりに感じた誰かの体温に、涙が溢れた。
さ「大丈夫。ここには俺とA、2人しかいない。泣いていいよ。」
声を押し殺して涙ばかりを流していた私は、声をあげて泣いた。
さとみくんの背中に腕を回して、ギュッと離れていかないように、力いっぱい抱き締めた。
こんなに泣いたのは、誰かの前で泣いたのは、
久しぶりだった。
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K - おつころと書かれていますが正しくはころおつです…でもでも、めちゃめちゃ面白かったです♪ (2020年1月13日 23時) (レス) id: 5f56a1975b (このIDを非表示/違反報告)
あーと - 最近、時間の合間に見てます!更新頑張ってください!絶対最終話まで見ます(゚∀゚) (2020年1月13日 21時) (レス) id: 86c077b51d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:餅月 | 作成日時:2019年12月28日 13時