20.仲間の許し ページ20
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ミンホside
迷惑だ。
彼女の第一印象は、俺にとって最悪なものだった。
後少し、後少しでメイズからの出口が見つかるはずなんだ。
…そんな大事な時に、あいつは来た。
新人が来る事なんて、もう慣れている。
…だが、今回は別だ。
あいつは、…彼女は女だ。
俺たちとは違う。
体格、体力では、はっきりと差がついてしまうだろう。
いや、それ以前に、彼女がこの生活に慣れる以前に、彼女の存在は俺たちに対してデミリットがありすぎるんだ。
男の中に女一人。
どう考えても、上手くいきっこない。
だってそうだろ。
はっきり言って迷惑なんだ、彼女の存在は。
今までの失ってきた仲間たちの分、俺たちには生きる権利がある筈。
彼女が居る事で、俺たちが死んだりしたら、死んだ仲間たちに顔向け出来ないだろ。
…俺は生きたい。生きていたいんだ。
彼女の事を、このグリードの中で一番否定しているのは…俺かもしれない。
ギャリーの否定とはまた違うものなんだと、昨日のことを見てそう思った。
(…その筈なんだが。)
今、ミンホの目の前には巨大な黒い塊があった。
何度も聞いたことのある不気味な音を立てて、こちらの様子を伺っている。
彼女を囮にして逃げる事だって出来た筈だ。
しかし、彼はその逆をした。
自分のした事が本当に現実の事なのか、その理由さえも全てが、飲み込めずにいる。
だが、ミンホの中で１つだけ分かる事があった。
それは…
「走れっ！！A！！！！！」
(…俺が仲間だって認めた事だ。)
Aは、俺がどう思っているか知らない。
それなにの、一度だって話した事の無い俺を助けようとした。
…正直、嬉しかった。
同じランナーが刺され、どうなったかを俺は沢山見てきた。
その度、仲間たちは仕方がないと、いつもの日常に戻ろうとする。
あの時、俺もその「仕方がない」の中に入ってしまうんだと、そう思った。
実際思っていた奴も居るだろう。
俺さえも、少し思ってしまった。
…なのに、彼女ときたら。
呆れたよ。
いろんな意味で。
だがな…。
ギュイーーーーンッッ！！！！！
嬉しかったんだ。
初めて、生きることを許された気がして。
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未確認生物(プロフ) - あの、メイズランナー大好きです。私も書きたいと思ってます！ (2021年1月19日 21時) (
レス) id: 1ab2c3b0b2 (このIDを非表示/違反報告)
めろん - はい！頑張ってください！待ってます！ (2019年6月20日 17時) (レス) id: 5764f95332 (このIDを非表示/違反報告)
おわに(プロフ) - ありがとうございます！更新は遅めですが、これからもよろしくお願いします！！ (2019年6月17日 22時) (レス) id: 418a4a3702 (このIDを非表示/違反報告)
めろん - 更新楽しみにしてます！ (2019年6月17日 22時) (レス) id: 5764f95332 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おわに | 作成日時：2019年5月13日 2時
