2.覚えているか？ ページ2
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ボックスから出してくれた彼に、お礼を言うと
「礼を言われる事じゃない」と言われた。
(紳士だなあ…。)
なんて、能天気な事を考えている自分に少し彼女は呆れていた。
「ねぇ、ここは何処？何故閉じ込められていたの？ 貴方は誰？。」
「まった、まった。一気に質問しなくてもちゃんと一から教えるさ。」
アルビーは、両手を挙げて、参ったとでも言いたげな顔をした。
「説明する前に、一つ質問だ。」
アルビーは人差し指を彼女に向けて言う。
「自分の名前を覚えているか？」
アルビーも、その周りに居る男達も、既に答えは分かってるが一応のためと、毎月来る新人に同じ質問をしている。
その分かっている答えは、今回だけ斜め上をいった。
「うん。…覚えてるよ。」
彼女の答えに、周りは少し動揺した。
もちろん、その中にアルビーも入っている。
「…随分早いなぁ。最低でも、思い出すのに一日近くはかかるはずだ。」
言っている意味が分からない…。
自分の名前なんて、忘れている方がどうかしてる。
「ねえ、それよりも…。」
「あぁ、悪い。…ついて来てくれ。ニュート、物資を頼む。」
「わかった。…おい、お前らも仕事に戻れ。」
童顔の男の子が、周りに指示を出す。
男達は、チラチラとこちらを気にしながら散らばって行った。
すると、アルビーが困った顔をしてこちらを見た。
「すまないな。ここに女が来るのは初めてなんだ。気になるかもしれないが我慢してくれ。」
…いやいや。今とんでもない事を言ったよ。…女が来るのは初めて？
確かに、周りを見れば見るほど男だらけだ。
「…私。ちょっと混乱してきた。」
「実は俺も、まだ混乱してる。」
アルビーは、笑ってそう言うけれど、絶対私の方が混乱してる気がする。
だって、まだ何も謎が解けてないんだから。
少し歩くと、広い野原のちょうど中央辺りに来た。
「いいか。ここはグレード。…四方を壁に囲まれた集落なんだ。
月に一度だけ、ボックスに新人と物資が運ばれてくる。…今回は君だ。
ここに居る者は皆そうだ。…自分の名前以外は全く覚えていない。誰が、どうして俺たちをここに連れて来たのかもさっぱりだ。」
なんとなく、自分に置かれている状況が分かってきた。
「…物資って、食料ってこと？」
「あぁ。だか、食料以外にも衣服が入ってる。」
そう言って、彼は彼女から目線を逸らした。
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未確認生物(プロフ) - あの、メイズランナー大好きです。私も書きたいと思ってます！ (2021年1月19日 21時) (
レス) id: 1ab2c3b0b2 (このIDを非表示/違反報告)
めろん - はい！頑張ってください！待ってます！ (2019年6月20日 17時) (レス) id: 5764f95332 (このIDを非表示/違反報告)
おわに(プロフ) - ありがとうございます！更新は遅めですが、これからもよろしくお願いします！！ (2019年6月17日 22時) (レス) id: 418a4a3702 (このIDを非表示/違反報告)
めろん - 更新楽しみにしてます！ (2019年6月17日 22時) (レス) id: 5764f95332 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おわに | 作成日時：2019年5月13日 2時
