あの時 ページ7
約10年前、Jrで入りたての頃にマイクを持って歌えと言われた。
それから何度かマイクを持たせてもらい、家族が喜ぶ姿が見たくて歌にダンスに必死になった。
でも、そんな俺を良く思わない人は 沢山いて。
同じ仲間から心無い言葉をかけられる日々。
レッスン場でも居場所がなく、レッスンが始まるギリギリまでトイレで過ごした。
レッスンが近づくと手の震えが止まらない。
10代の俺には抱えきれないものだった。
気にしないよう、相手にしないようしていたつもりだった。
だけど身体は正直で、突然 レッスンが始まるタイミングで急に視界がグラつき、冷や汗が止まらなくなり、息ができず崩れ落ちるように倒れた。
誰も近づいてこない。遠目から痛い視線を感じる。
暗闇の中、俺だけがいるように。
誰か・・・・
「 のぞむ ?!おい、何突っ立ってんねん。救護室や救護室!」
そんな中、俺の元に駆け付けて 周りに喝を入れてくれたのが流星だった。
青「 のぞむー 大丈夫やからな。俺の目を見て。息をして。」
あの時パニックで過呼吸になっていた俺の目をみて、優しく温かく包んでくれた流星。
俺も、あの頃の流星のように・・・・。
流星の元へ走り、目の前に座る。
「流星ー! 聞こえてる? 俺やで、望やで。大丈夫。俺がおるから。目を見て。」
数日ぶりに目が合った流星の瞳は不安と焦燥感で黒く濁っているようにみえた。
「流星、落ち着いて呼吸できる? 俺に合わせて。」
目を見て、呼吸のタイミングを指で教える。
少しづつ、呼吸が治まり 俺に倒れ込む。
その肩を離さぬよう抱き留める。
「 ーー きえ ーー たい。 」
振り絞った微かな声で発したその言葉は あまりにも残酷で夢のようだった。
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作者名:ろん | 作成日時:2025年12月10日 15時


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