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咲:…スー…スー……
加賀美:咲、寝たわね
国近:久しぶりに良い夢見てねー
犬飼:見てねー
国近が咲の耳元で囁くと犬飼も囁く
2人は目を合わせニカっと笑う
その光景に周りのみんなもフッと笑顔になる
荒船:犬飼、ちょっと聞いてもいいか?
和やかな雰囲気だったが、荒船の一言で一気に空気が張りつく
犬飼も察したのだろう
犬飼:…みんな、そっちのテーブルで話そうか
ベッドから少し離れた場所にみんなを集める
荒船:咲のことだが…
犬飼:うん…なんとなく気づいてると思うけど、咲は記憶を失ってるんだ
村上:記憶喪失…か…
今:……なんで…なんで咲は記憶喪失になったの?
犬飼:それは……詳しくは言えない
北添:いつから?
犬飼:2年前だよ
荒船:…なるほどな
そう言えば2年くらい前から二宮隊と咲がつるみ始めてたな
影浦:2年前て言やぁ、鳩原が辞めさせられた時期だよなぁ
……それと関係してんだな?
犬飼:……詳しくは言えないけど、勤務中にちょっとした事故に巻き込まれてしばらく昏睡状態になった
国近:昏睡状態……?
なにそれ、私たち何にも知らな…
犬飼:知らなくて当然だよ
だって…上層部に隊員達に言わないように頼んだんだから
…それから1週間後に目を覚ましたけど…咲は記憶を無くしてたんだ
しかも自分の名前も言えないくらい重度のレベル
北添:で、でも!みんなの名前言えてるってことは、全部忘れたわけじゃ…
犬飼:全部だよ
ゾエの言葉をかぶせて強く言った
犬飼:…全部…忘れてたんだ
咲:貴方達、誰?
咲のあの一言が今も俺の頭から離れない
＊
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作者名：K.saku | 作成日時：2019年8月13日 5時
