転入生の憂いごと・4 ページ6
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まぁ、いつまでもこんな状態でも仕方ないので、後ろのさくやちゃんに優しく言い聞かせる事にする。
「落ち着いて、さくやちゃん。――瀬名クソホモ泉に怒ったって無駄よ」
「だから誰がクソホモだってぇ！？」
「はあ？ ゆうくんゆうくん叫びながら廊下全力疾走して後輩ビビらせた挙句、クラスメートに呼び出されてガチ説教食らったようなクレイジーな馬鹿を、他に何て呼べって？ アンタ現実見えてる？」
「自覚の無い狂人って扱いに困りますよね……」
「他ならともかくアンタ達も他人のこと言えないからねぇ！？ 特に転入生！」
「失礼ね。――私は計算して狂ってんのよ。そうでもなきゃアンタ達みたいなナチュラルボーンキ○ガイを相手に出来るワケ無いじゃない。一緒にしないでくれる？」
「そうですよ、瀬名先輩！ 不陶先輩は何だかんだで常識的な所があります！ ちゃんと人を選んで被害与えてますからね……！」
「……転入生、アンタ、よくここまで後輩を調教出来たね。後学のために教えてくれない？」
「アンタは悪用しそうだから駄目で――す」
あからさまに舌打ちされた。うん、そういう所だぞお前。
「ってか、何で瀬名はここにいんの？ 忘れ物？」
「まぁ、そんなとこかな。もう用は済んだから帰るけどねぇ」
言いつつ、鍵のリングを人差し指に引っ掛けて軽く回している。
練習室の鍵だろうか。部屋番号のシールが貼ってある緑色のタグが見えた。コイツが個人的に借りてる部屋かな？
「アンタ達も、早く帰りなよねぇ？ 4月とは言え、まだ暗くなるのちょっと早いし」
と、回していた鍵を手の中に握りしめて、瀬名が言う。
「何なら送るけど？ 特に新入生は、途中まで割と一緒だしねぇ」
「あ〜、登校する時、たまに会いますもんね〜……。
あそこ、普通科の子も通りかかったりするから、たまに出くわすと朝っぱらからギャアギャア騒いでうっさいんですよね〜……。先輩、コース変えてくれません？」
「アンタよくそれを言えるよねぇ、厚かましいったら……。嫌ならアンタがコース変えればぁ？ 俺、そういうの全無視してるし」
「ううっ、だって、うちからだとあのコースしか通れないんですよぉ……！ そりゃまあ迂回も出来ますけど、遠回りすぎて遅刻確定しちゃうし！」
そうなのか。さくやちゃん、地味に苦労してるな〜。
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愛那 - めっちゃすきです！更新頑張ってください！ (2020年6月26日 16時) (
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作者名：姫結 | 作成日時：2019年2月17日 8時
