転入生と従妹・4 ページ8
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「私から言わせりゃ、『生きてるだけマシじゃん』って感じだけどね」
「Aちゃんを基準に考えないでね？ ……と言うか、よくよく考えたら、Aちゃんは参考にならないんだよね……。普通なら、いつ死んでてもおかしくないような境遇だし」
「失敬な」
私のこと何だと思ってんだ、この従妹は。誠に遺憾である。
「人間は、そう簡単には死ねないわよ」
「『死なない』じゃなくて『死ねない』って辺りが、Aちゃんらしいね」
ふう、と一つ息をついて、従妹がやっと起き上がる。
長時間床に倒れ込んでたせいで、髪がぐしゃぐしゃだ。
ああもう、綺麗なのに勿体ないなぁ。
仕方ないので、ブラシで元通りに梳かしてやる。
「有り難う、Aちゃん♪」
「礼言ってないで自分でやりなさいよ……」
「だってAちゃんに任せた方が確実だし。昔からそういうの得意だよね、Aちゃん」
「お母さんが厳しかったからね〜」
料理と美容と――ついでに歌については、お母さんは滅法厳しかった。お夕飯の手伝いをした時なんか、しょっちゅう怒られていたものだ。
今となってはもう、懐かしい思い出でしかないけど。
「――はい、じゃあコレで終わりっと」
「うん。改めて、有り難う。それと――」
「ん、な〜に？」
髪を梳かし終わって、ブラシを片付けていると、従妹が急に声を掛けてきた。
それまでぼんやりと窓の外の月を眺めていた彼女は、突然、ふっと私に振り向いて、
「――『あの子』をお願いね。Aちゃん」
その一言を最後に、従妹の姿が掻き消えた。
ただ、彼女の前に置いていた湯呑みと、カップ麺の空容器だけが、その存在が幻覚で無かったことの証明として残っている。
……うん。
まぁ、これぐらいは『いつもの事』だから、今更驚きはしないけどさ。
「せめて、食べたものの後片付けくらいはして欲しかったかな〜……」
溜め息をつきながら、掃除に取りかかる。
現在時刻は、午前1時のちょっと前。
……明日、ちゃんと起きれるかなぁ、私……。
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姫結(プロフ) - あーりすさん» 有り難う御座います。仕事が多忙なのもあり、月1回更新出来ればいいかな……ぐらいの気持ちでダラダラ書いてますので、それでも大丈夫でしたら、これからも気長にお付き合い下さい。よろしくお願いします。 (2018年5月16日 18時) (
レス) id: 11e7a2152f (このIDを非表示/違反報告)
あーりす(プロフ) - え、なんで今まで赤星になってなかったのってくらい面白いです！！この小説見つけられてよかった！！更新FIGHTです、頑張ってください！ (2018年5月16日 18時) (レス) id: ab6d254405 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：姫結 | 作成日時：2018年1月17日 17時
