十四話 ページ16
「……じゃあ、うちを開けましょうか?」
「……………は?」
それは数十秒前のこと。
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「Aー、つかれたぁー癒やしてぇーー」
洗い物を拭く私に、後ろから抱きつく姉貴。
暑いんだけどなぁ。
「何がそんなに疲れたんです、今日は彼氏の家に行ってきたんじゃないんですか」
「もう夫ですぅ……って、はぁ。それなのよそれ」
「もう倦怠期ですか?冗談きついですよ」
「違うの!ちゃんと大好きよ。そうじゃなくて、お家探しよ!彼と二人で住むお家を探してるの」
「ふーん」
「彼は実家ぐらし……というか私と同じでほとんどホテル暮らしだし、私もそうでしょ?」
姉貴の旦那さんは、姉貴のマネージャーをしている人だ。
だから、姉貴と同じように長い間家を開ける。
「あんまり帰らないのに新しい家を買うのも借りるのも……勿体無いし、……。かといって一緒に住まないわけにはいかないじゃない?」
「……じゃあ、うちを開けましょうか?」
「……………………は?」
冒頭に戻る。
「新しく買ったり借りたりするのは勿体無いということでしたら、私が出ていきましょうか?」
「え、ちょっと、Aはどこに住むのよ?」
「母屋はそのままですから道場でもいいですし……まぁ何処かアパートでも借りてもいいですけど。私なら1Kで十分ですから、姉貴たちが新しく借りるよりは安く済むと思いますよ」
「それはそうだけど……」
「姉貴にはなんのデメリットもないじゃないですか。これで解決ですね。旦那さんにもお伝えください」
「え、えぇ……」
「ほら、もう疲れの原因も無くなりましたよ。離れてください。邪魔です」
姉貴を振りほどいて、拭いた食器を食器棚に戻す。
「ね、ねぇ、本気で言ってるの?」
「はい。お仏壇を見るたびに死にたくなるし、ちょうどいいかもしれません。家から離れても、二人は見守ってくれるでしょうし」
「A……………。でも、女の子の独り暮らしなんて危ないわ」
「?今もそうでしょう?」
「そう、か…」
「何も心配することはありませんよ。とりあえずは道場に移りますね。今週中でいいですか?」
「えぇ……何なのよその行動力………」
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さか - 絵もほんと上手で神だし、お話も凄く素敵です。更新待ってます! (2021年4月25日 7時) (レス) id: 084fbf2f8d (このIDを非表示/違反報告)
勾玉*(プロフ) - 夢主ちゃん私の好みドストライクなんですが……。続き、楽しみにしてます!!頑張ってください! (2020年6月8日 1時) (レス) id: 44b17a4264 (このIDを非表示/違反報告)
キヤナ - このシリーズ大好きです。面更新がんばってください。楽しみにしています! (2019年10月20日 21時) (レス) id: 256d9e1299 (このIDを非表示/違反報告)
白猫(プロフ) - 今日初めてこの小説に出会ったのですが、一目惚れして一気読みしてしまいました!夢主ちゃんが可愛すぎるし、カルマくんもかっこよすぎる、、、作者様のペースで更新頑張ってください(o^^o)これからも楽しみにしてます。 (2019年6月30日 0時) (レス) id: 44840d8a16 (このIDを非表示/違反報告)
鶴 - 続編おめでとうございますこれからも頑張ってください (2019年5月29日 17時) (レス) id: 0753bc1767 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あうおん | 作成日時:2019年5月26日 22時