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#25 ページ25

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「お、おはよう!」

翌朝、教室に着いた私は

自分の席につく前に彼のもとへ向かった。

そして、そんなふうに言った。

彼は驚いたふうな顔をしていた─────。



緊張でどうにかなりそうだった。

「迷惑だ」と言われるんじゃないかとか

何度も後ろ向きに考えたけど、

キミを想って考えてる時間でさえも

愛しくなって、吹き飛んだ。



「おはよ……」

そして、返ってきたのは小さなそんな声。

陸くんは、ふいっ、と目を逸らして

それきり合わせてくれなかった。

……結構、勇気出したのになぁ。



お互いの離れた距離は。

近づきも遠のきもしなかった─────。

(何で、こうなったんだっけ)

自分の席で、

鞄を机の横に掛けてぼんやりと考える。



『無理、だよ』



『何で、会いに来たの?
何で、期待させるようなことばかり……。

報われないってわかってるのに
そんなことされたら余計に辛い……』



『もうやめて……。
これ以上、私に近づかないで……』



「……」

陸くんを傷つけた血だらけのナイフが

再び私の胸に突き刺さる。

半分告白のような言葉を並べて、

困らせた挙句にひどいこと言った。



それは、今までは、

そうでなくちゃいけないと思っていた。

あれ以上近づくことは許されない、と。

だから─────

そうすることで、小さな自尊心を守ろうとした。

私の行動は間違っていないと、そう思おうとした。

自分が悪者になっても、

親友のために突き放すことが、

正しいと思っていたから。



でも、違った。



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作者名:小桜ふわ | 作成日時:2017年7月1日 18時

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