【すしりく】青春、キミ色に染まる。 (ページ21)

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#21 ページ21

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『どうも、すしらーめんでーす！』

画面の向こうにいる彼は

いつもハイテンションで明るくて

いつだって、私の心を照らしてくれた。

直接じゃなくても、画面越しでも、

その笑顔が大好きだった。

*

イヤホンを外し、スマホを机の上に置く。

騒がしい朝の教室内を見渡して陸くんを探した。

……彼は一人、

自分の席に座って突っ伏していた。

(最近は……)

遠くからでも、

陸くんの眩しい笑顔を見ることはなくなった。

彼はあまり─────笑わなくなった。

これまでは毎朝のように

「おはよう」って笑いかけてくれたのに……

たったひとつの言葉で、

近づいた距離はいとも簡単に

引き離れてしまうんだ。

戻りたい。

あのときのように

またお互い笑って話したい。

もしかしたら

私が「おはよう」って

今度は私が、そう笑いかけたら

戻れるのかも知れない。

(……でも)

今朝の彼の表情を思い出すと

どうしても、

どうしても、

勇気なんて出るはずがなかった。

膝の上で握り締めた両方の拳が小さく震える。

矛盾だらけの感情を、

どこに追いやればいいのかを、私は知らない。

(陸くん……)

もう、私たちは

ずっとこのままなのかな？

戻ることは、出来ないのかな？

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