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全身の血が一瞬で冷えた。
さっきと同じ態度を……、平静の仮面を、何とか自分に繋ぎ止める。
陸は「困ったね」とでも言いたげな、迷惑そうな表情を浮かべてみせた。
マホトは怒ればいいのか馬鹿にすればいいのか、まだ態度を決めかねているようだ。
「……ほら、聞いた!?
りっくんは用心棒なんだよ！」
そらが興奮気味に言う。
「用心棒って、夜に一人守れる奴？」
と、エイジがそらに問う。
そらは輝くような笑顔で頷いた。
「みんな死んでるけどー？」
煽るようにエイジが声を上げる。
「じゃあ他に、自分が用心棒だ！
って人いる？─────いないよね？」
そらの言葉に余裕ぶっていたエイジの目が揺れる。
「つまり、りっくんは本物の用心棒で､人狼じゃない。
てことは……陸は嘘をついてるってこと」
そらに指摘された陸は、鋭い表情を彼に向けていた。
「そして────渡邊摩萌峡、AA。
おまえら2人が人狼だってことだ！」
勢いよく言い切るそら。
「……」と、私。
「なわけねぇだろ、ばーか」と、マホト。
怒り、馬鹿にする、両方を選択したようだ。
「もう4人も死んでんだぞ。
そん中に用心棒がいたかもしれない。
つか、いたんだよ!!」
「いや、いなかった！」
マホトの怒鳴り声に返すそらに、私は頷く。
「そう────、いなかった」
そして同調する。
「はあ!? おまえ馬鹿か。
人狼だって言われてんだぞ」
マホトが怒りを隠そうともしないで私を睨みつけてきた。
隣に座る陸も、驚いたようにこちらを向く。
「用心棒は死んでない。
……むしろリクヲはそれを狙ったんだと思うけど」
「でも」と、私は全員に向けて言う。
「本物の用心棒は、私だから」
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作者名：小桜ふわ
| 作成日時：2018年3月10日 16時
