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私が殺したことになる……？
どうして？
私は、謂れない殺し合いを強いられている、
被害者の一人ではないのか。
「私じゃない……」
消え入りそうなほどか細い声になった。
「私じゃない。 犯人だよ！」
「犯人の世界で生かされてるんだよ！」
カンタさんの更なる反論に押し黙ってしまった。
彼は真っ直ぐ私の目を捉えている。
「言ってみれば、俺らは家畜。
……お願いだから、次は誰かを指して。
誰でもいいから────」
懇願にも近い調子で
カンタさんに頭を下げられた。
「……っ」
受け入れるしかないのだろうか。
拒んだら死ぬかもしれない。
それどころか、皆を私が殺したことになる？
……本当に悔しい。 犯人が許せない。
自分の非力さを恨み、再び涙がこぼれた。
全員が元の席に戻る。
先ほどより
些か緊張が深まった様子のはじめくんが
周囲を見回してからもう一度合図した。
「いっせーのせ────」
皆の腕が上がる。
私も、鉛のように重たい腕を持ち上げ指を指した。
……カンタさんを。
人狼だと思ったというわけではないけれども
彼を指してしまった。
投票結果は……。
トミーくんに2票────カンタさんとはじめくんから。
エイジくんに2票────理沙さんとトミーくんから。
はじめくんに2票────マホトくんとそらくんから。
ポッキーくんに1票────エイジくんから。
カンタさんに1票────私から。
そして、私に1票────ポッキーくんから。
「何で……？」
カンタさんが、
悲しみと怒りを
織り交ぜたような表情で聞いてきた。
「ごめんなさい……」
素早く腕を下ろす。
「カンタさんなら、
誰からも投票されないと思ったから」
自分を納得させるための理由かもしれない。
でもまったくの嘘でもない。
「自分が指した人じゃなきゃ死んでもいいの!?」
カンタさんが厳しく追い詰めてくる。
ごめんなさい。 本当にごめんなさい。
「誰でもいいから指せって言ったのお前だろ」
トミーくんがカンタさんに言った。
「俺は村人だよ」
エイジくんが彼に入れた二人に主張する。
「……ねぇ、何で？」
はじめくんがカンタさんのように
自分に投票した理由を促した。
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作者名：小桜ふわ
| 作成日時：2019年3月19日 9時
