【YouTuber】人狼ゲーム 1 (ページ1)

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弱い者は強い者に屈する。

抗えないのならば

命すらも諦めなければならない。

ここは、弱肉強食の世界だ。

巣に引っかかり、

主である蜘蛛に捕食される小さな蟻のように

あるいは、

人狼に食われる非力な村人のように……。

そうなりたくないのなら────

死にたくないのなら、殺るしかない。

殺せないのなら、待っているのは『死』のみだ。

*

とある土曜日、することもなく暇だった私は

制服に着替えて学校の図書室に向かうことにした。

もう既にここにある本はすべて読破しているので

背の高い本棚の間を歩きながら、

背表紙だけをさらっと眺める。

もう一度読みたくなるような本を

無心で探していると

ポケットの中でスマホが震えた。

取り出して電源をつけると

Twitterのハイライトの通知だった。

読み飛ばしてホームに戻ると、最近フォローした、

カンタという人物のツイートが表示されていた。

『年間30万匹の犬猫が保健所で殺処分されます。
多くの人々は未だ
安楽死させられると誤解しています。
ガス装置によって殺処分するのに5分～10分を要し、安楽死から程遠い死を迎えます』

『さて問題です。
もし、保健所で殺される犬猫をもらってきて、
僕が3分～10分程度使って虐殺したら、
罪になりますか』

というようなツイートが並んでいる。

「……」

もや、と心に霞がかる。

とても笑えるような内容ではなく、不快感さえ覚えてしまう。

気づいたら、フォローを解除していた。

電源を落としスマホをポケットにしまう。

適当に本棚から本を取ってパラパラと捲り

流し読みをしたが思ったより時間が潰せず

直ぐに図書室を後にした。

「Aちゃん！」

学校を出た所で、背後から声を掛けられた。

その甘い声に振り向くと親友のさぁやがいた。

そう言えば昨日LINEのグループで

補習があると言っていたっけ。

「今、帰りなの。一緒に帰ろ」

と笑ったさぁやの隣に並んで歩き始める。

「Aちゃんは何で学校に？」

「暇だったから……本読もうと思って」

というふうな話をしていると

道の端で

数人の男子小学生が固まっているのが見えて

そう言えば夏休みだったなぁ、と思い出した。

蝉の鳴き声が暑さを掻き立てる。

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