魔女に花束、女王に刃6

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だけど皆を傷つけられてる時、憎い相手がいる手前、私達の邪魔をされてる時。
そんな時に⋯









「宏太、手記はどこかしら？それとももう魔女の仔が持っているのかしら？」


「⋯、⋯か⋯」


「は？」


「⋯死んで、られるか⋯！！」









自らに気合を入れて、杖を持ち直す。
私は絶対に負けない。
全て終わらせるまでは、誰が来ようと死んでなんかやらない！！









「開花の弾丸(ﾛｽﾞｱ=ﾌﾟﾛｲｪｯﾄ)！」









薔薇の花が宙に咲き、銃弾のごとく獣と女王目掛けてぶっ飛ばす。









ﾊﾟｷｨﾝ⋯ｯ









弾丸はスレスレで外れて大きな鏡に当たった。
しかし、









「ﾁｯ⋯！⋯あ⋯？」


『ｶﾞﾙﾙｯ⋯ｸﾞｫ⋯ｯ』


「な、何をしているの！！？？」









獣の様子が明らかにおかしい。
女王もさっきまでの饒舌はどこへやらだ。

鏡をみる。
映っているのは私。だけ。
皆は映らない位置にいるから映ってない。だけど、

なんでこの獣と女王が映ってない？
まぁ女王は実体がないから⋯
この馬鹿デカい体が映らないのはおかしい。









裕「A⋯？」


「鏡、鏡⋯？」









あれ⋯なんで気づかなかったんだろ⋯
あいつの怪我、本当に"左足"だったか⋯？









「⋯大貴、」


大「え⋯？」


「悪いな⋯」









杖を握りしめてもう一度集中する。









「やめてぇっ！！」


『ｸﾞｧｱｱｯ！！』


「こいつは⋯偽物だ⋯！開花の弾丸(ﾛｽﾞｱ=ﾌﾟﾛｲｪｯﾄ)！！」









女王のホログラムと獣が一気に迫ってくる。
それに怯むことなく呪文を唱える。
宙に咲いた薔薇は獣をかすり、ホログラムを突き抜けて鏡を打ち砕く。








ﾊﾞﾘﾝ！









「キャアアアアアッ！！！」









女王を映していたホログラムも獣も砕けるかのように消えた。

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