イケメンに囲まれてます！ (ページ6)

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第6話イケメンの恐喝後編ページ6

「Aちゃんも困ってるじゃない。男のむさ苦しい喧嘩なんか見てられないよ。…そう思うでしょ？」

その声の主は、私の友達第一号、春人メイちゃんだった。

ーイケメンの恐喝後編ー

「…男の喧嘩に女が首突っ込むなや…舐めとんのか！？」

「…僕も同感だ。これは、3人の話であって」
「んな事聞いてねえ」

「Aが困ってるか困ってないかだ。そうじゃねえのか」

「っ……」

「王宮宮、お前がそんなに熱くなるのには何が理由がある。そうだろう？でもな、巻き込んじゃいけねえよ。守りたい奴なら尚更な。」

「…春人…お前まさか………」

「あの…メイちゃん、これはどういう…？」

「ッフ、Aは気にしないで。これはどうやら、私たちの話みたいだ。」

なんだかよく分からないけど…なぜか…何故か私の胸は、メイちゃんを見ると鼓動を早くした。何で…？こんな…ほんとに……

「おいお前ら、この喧嘩、勝った負けたに何か賭けてただろう？」

「………何故それを？」

「うっ…」

「それで、その商品はあれだろう。とある女の子に恋する権利だ。」

「「うっ」」

「残念ながら、その商品はもうなくなっちまった。」

「はぁ！？」

「…どういう事だ」

メイちゃんはゆっくりとわたしの方に体を向けて……

私の肩を己に引き寄せた。

「もう、私がお買上げしてしまったからな」

ズギュギュギュン！！

夏のセミ声のベースに、私の鼓動のドラム、音楽室から流れてくる情熱的なパッションが、その瞬間に壮大な音楽を流したようだった。

「っ…春人、お前やっぱり…！」

「じゃあね～男ども～。商品のなくなった喧嘩、存分に楽しんでー」

私はメイちゃんの腕に抱えられ、体育館を颯爽と後にした。

「………あの、メイちゃん。もしかして、」

「驚かせちゃってごめんね。あれ、冗談だよ」

「えっ」

「いや～困ってたからさ。助けようと思ったんだ。さっきの王子様っぽいのは王宮宮、不良っぽいのは神田多々良(かんだたたら)っていうんだ。不良の方にはありゃ近づかない方がいいね。何かと噂なのさ」

「へー……うん。ごめんね、迷惑かけちゃって…」

「良いんだよ、それにこういう時は、」

「ありがとうっていうのさ」

「えっ…」

「って、メイちゃんなら言うとおもって」

へへ。そう笑うと、メイちゃんはそっぽを向いてしまった。

「あ、ごめんね？変な事いって」

「ありがとう。…大好き」

「っ！…うん。私も大好き！」

私たちは親友になった！！