【ドラクエ11】次元を渡りし魔法使いの弟子【ログ・ホライズン】 (ページ4)

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玉座の間の奥を見上げれば、深紅のマントを纏った、王が挨拶をしてくる。
短く刈り込んだ髭、白髪の下の眼光鋭い眼差し。年齢のせいで筋張ってはいるが、若い時分は武芸を嗜んだと思われる両手の筋肉の付き方。
装飾品などは一切ないが、紫と白を基調とした余り重そうには見えない衣服に、黒く磨き上げた革の丈の高いブーツを履いている。

「そなたはAだな。噂は聞いている。古より絶えた錬金術を見事継承したそうだな。さすが大魔法使いであるシロエ殿の弟子だ」

「み、身に余るお言葉でございます…」

両手で青いスカートをつまみ、ゆっくりと屈んだ。

「かなり顔色が悪いようだが。体調が悪いのか？」

「えっと…」

しばらくの沈黙の後、ひどく何かを悩むように二三度大きな呼吸を繰り返した後、意を決したように告げた。

「あのっ、し、師匠は、悪気があったわけではないのです！！いつも自分のことは後回しで、だから、師匠のアトリエ停止だけはっ！！代わりに師匠への依頼は、私がこなしてみせますからっ！！！」

普段物静かなAからは想像できないような、必死に懇願する姿にその場にいた者が呆然とする。
シロエに至っては、開いた口が塞がらない。

「お、おい、Aっ」

今にも泣き出してしまいそうなくらい、目尻に涙を浮かべた少女がたまらず叫んだ。

「だって、ここに呼び出されるということは、またシロエさんが王国からの依頼を溜め込んだり、期限を忘れていたりしたってことですよね！！これで5度目ですっ、今度滞納が続いたりしたらいくらシロエさんでも今度こそあのアトリエがなくなってしまいますっ」

わあぁっと顔を両手で覆い、叫ぶA。
そんな二人のやりとりに、玉座の間に響いたのはデルカダール王の笑い声だった。

「はっはっはっ！そうか、シロエ殿はよい弟子をもったなぁ。俄然その力がほしくなった」

「…へ？」

なんのことだかさっぱりわからない。
混乱した彼女は首を交互に振るばかりだった。
そんな彼女の反応に、重々しかった玉座の間が少しは和らいだろう。
堅物そうな将軍二人も苦笑いを浮かべ、口元を手で隠している。

「あのねA。確かに呼ばれたけれど、そういったことではないよ。ていうか、君は僕をどう思ってるんだ」

「尊敬しています」

至って真面目な彼女の答えに果たして喜んでいいのか複雑になる。
いや、、問題はそこじゃない。
肩で息を吐くシロエは、一歩Aの前に立ち、声を張り上げた。