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彼らを率いていたのは、デルカダール王国軍師ホメロスだ。
追い詰められた彼らのもとに、Aが走り出した時だった。

「待ちなさぁ〜いっ!!」

赤いインナーに白と黒のストライプが印象的な奇抜な衣装に、黒い前髪を耳にかけたオールバックの男性の声が響く。

「アタシのイレブンちゃんにおイタする子は、お仕置きよっ!」

「お仕置きよ!!」

それを真似るように、赤いトンガリ帽子に赤いワンピースを着た、金髪の女の子が人差し指を指した。

「おいなんだあいつらは!警備の者たちは何をやっている!!」

「ほらほらっ!サッサとどかないとヤケドするわよ!」

ゴオッと空気が焼ける音と共に、熱の球が空に打上げられる。
隕石のように降り注ぐ火の球に、兵士たちは混乱した。

「…チッ。まだ仲間がいたとはな。さっさと取り押さえろ!」

(なるほど!そうゆうこと…!)

彼女が視線を巡らせると、会場の階段近くで手を振っている金髪の少女がいた。

(この炎は陽動。ホメロスさまたちは、彼らに気をとられている。これなら…っ!!)

気付けば身体はすでに走り出していた。
必死に手を伸ばして、声を振り絞る。

「ダメっ!!」

「イレブン、あぶねぇっ!」

暗いドロドロとした球がホメロスの手から放たれる。彼を守ろうとした空色の青年に触れた手に、力を込めて思いきり突き飛ばした。

「…っあ!!」

背中にゾッとする痛みを覚え、冷たい地面にぶつかる。

「おい!アンタ…っ!」

「いいから走って!!」

普段の自分からは想像もできないくらいの声。
困ったように眉を下げ、Aは金髪の少女に微笑んだ。
真っ直ぐな瞳に何かを感じ、2人の手を掴み、その場から走り出しす。

(こんな姿、シロエさんには見せられないな…)

薄れゆく意識の中、自分の名前を呼ばれた気がした。









「ここまで来ればもう大丈夫よ。みんなケガが、ないみたいでよかったわ」

白と黒の派手な服を着た男性、シルビアはホッと胸を撫で下ろす。

「でも…女性の方が捕まってしまいました。私たちを庇った事で、どんな目に遭わされているか…」

長い金髪を緑のヘアバンドでまとめた少女セーニャは、不安そうに顔を曇らせた。

「クソッ…俺のかわりに!」

空色の青年カミュは、悔しそうに拳が空をきる。

「ねぇ、あの子。イレブンちゃんのこと知ってるみたいだったけど、知り合い?。」

イレブンと呼ばれた青年は、首を横に振った。

「なら、なんで俺たちを助けたんだ?」

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設定タグ:ドラクエ11 , ログホライズン , ホメロス   
作品ジャンル:ファンタジー
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作者名:マナ | 作成日時:2020年1月12日 20時

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