3話 ページ4
「はーいお疲れ様!」
『…アリガトウゴザイマス。』
「え、さっきまでの可愛い笑顔どこに捨てたの。」
そんなことを言う五条悟を、私はもらった水のボトルで思い切り叩いてやった。
あ、そうだこの人に打撃は効かないんだった。
結局、昨日の【五条悟がケーキで汚れなかった事件】は「そういう技なの。」と言いくるめられた。
『…それより、撮影現場にまで来るのやめてもらえます?
いるだけならまだしも、カメラマンさんの後ろから笑わせようとするのまじやめてください。』
そう、こいつが七五三の写真撮影のときみたくあらゆる手を使って私を笑わせようとするから、逆にいつもの笑い方忘れたよ。
「あんなに撮り直してていつも大丈夫なの?」
『今日だけだわ……ッ!!
誰のせいだと思ってんだ、この目隠し野郎…!』
やっぱりこの男はどこかイラつかせる要素がある。
ムカつきながらも、次の撮影衣装に着替えるために楽屋の扉を開けようとした。
「待って。」
『ぇ……』
突然、五条悟が私の後ろから腰に手を回した。
え、なになんなの。
かと思えばそのまま腕に力を込めて私を自分の横へやると、「一瞬だけ、」と私を片手で抱きしめる。
その瞬間、フワッ……と、優しくて大人の香りがしてこんなやつが相手なのに、少しだけドキッとしてしまった。
「あ、逃げたね。」
『え……?』
「扉の向こうの呪霊さ。
僕の気配を感じ取ったかな〜?
ごめんごめん、今離す……って、顔赤いけど大丈夫?」
『だ、大丈夫ですから!
どうもありがとうございます!
着替えるからあんたは外にいて!!』
「はいはいわかりましたよ〜っと。」
まさか顔が赤くなってるなんて。
ヤバい、男慣れしていないのがバレそうだ。
……もっと演技の勉強もしよう、そうだ、さっきのは不可抗力で、突然だったからいけないんだ。
それにしても……
『さっきの匂い、どこかで嗅いだことある気が…。』
「Aさん、次これでお願いします。」
『あ、はい!』
でも撮影が再び始まれば、そんなことすっかり忘れていた。
やっぱりカメラの奥から笑わせようとする五条悟に今回も笑顔が引き攣った私は、今までの撮影の中で1番の時間をかけて終わった。
「いやぁ、五条さんとても気さくだし、気が効くし、セコムしていただけてよかったですよ〜!」
……なんか、マネージャーと仲良くなってるし。
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ちゃっぱ(プロフ) - きのこさん» ありがとうございます…!頑張ります!🔥 (2022年1月20日 20時) (レス) id: 12eaed4cf4 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ(プロフ) - 更新楽しみにしております。ファイトです。!(*'▽') (2022年1月20日 1時) (レス) @page44 id: 745e8e7bf1 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃっぱ(プロフ) - れいなさん» この作品に関しては自分もよくわからなくなる時があるくらいなぜ構造が難しいんですよね…(え?)キスシーンドキドキしてくださいました…?!あのプルプルの唇にぜひ蝕まれた…(黙れ)私も大好きなので定期で狼化(?)させてますこれからもします。ありがとうございます^_^ (2022年1月14日 23時) (レス) id: 12eaed4cf4 (このIDを非表示/違反報告)
れいな - どの作品も奥が深くて「早く早く!続きどーなんの?!」ってドキドキしてます!一番ドキドキした所は、……キスシーンですよね?!あーゆー呪術キャラが狼になるシーンホントに大好きです!個人的に山本さん怖いですねぇ…。リアルにいそう…。更新頑張ってください! (2022年1月11日 15時) (レス) id: 26dbc1a5ab (このIDを非表示/違反報告)
れいな - れいなです!「雨の日に虎を拾った」の作品から来ました!ちゃっぱ様の作品がどれも素晴らしいです!個人的に呪術キャラがアタシ好みですしww五条先生の作品の中でトップレベルに好きな作品です!こんな素敵な作品達を作れるちゃっぱ様はどうなってるんですか?!ww (2022年1月11日 15時) (レス) id: 26dbc1a5ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃっぱ195 | 作成日時:2021年8月26日 18時