ある日、私にセコムができた【五条悟】

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幽霊とか、"そういう類"のものを私は存在しないと思ってる。




だけど、やっぱりそういうものってあるんだろうなって"感覚的"にわかる時がある。








「君、相当厄介な体質だねぇ。」







ある日突然目の前に現れた、目隠しをつけたいかにも怪しい長身の男が奇妙に笑いながら私に言った。





『どちら様でしょうか。』





こっちも伊達に芸能活動してないから、営業スマイルを浮かべてやる。






「どちら様も何も、僕今日から君のセコムとして雇われてんの。よろしくね、Aちゃん？」



『身に覚えがありませんのでお引き取りください。
あと、軽々しくちゃん付けしないでください。』





今すぐにでも警察に突き出してやる、そう思ってスマホを取り出したタイミングでマネージャーから電話がかかってきた。




丁度いいタイミングだな！



マネージャーに助けを求めて、それで……







「今日からセコムしてくれる方とはもうお会いになりました？僕もすぐそちらに向かうので！」




忙しそうに早口で言ったマネージャーはブツッと電話を切った。






…………まじで？




目の前の怪しい男が言っていたことは、ファンの人がたまにする行き過ぎた行為とかじゃなかったのか。






だとすれば話は早い。




「ほら、僕の言ったこと本当だったでしょ？」


『えぇ、ですので……』


「うんうん。」


『今すぐお引き取りください、この変質者。』


「話聞いてた？」







こうして、目隠しをした怪しい長身の男と、"時の顔"である私との奇妙な関係が始まったのであった。

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