隣 の 君 に 幸 あ れ 【SEKAINOOWARI】

＃15　番外編 ページ15

深瀬side



深瀬「あー、もう12時だよ。なんか食べようか。｣



それから、2つくらい乗り物に乗って、楽しんでいたら、



もうこんな時間になってしまった。



「何食べる??｣



深瀬「何にしようか…何がいい??｣
　

　
……。


お互い、顔を見合わせて考えている。




深瀬「レストランにする？それとも、お弁当買う??｣




「お弁当がいいかな、安いし｣



Aは値段を気にしているのか、そう言った。



いいよ。と言って、近くのお弁当屋へ向かう。




このあと。俺はAに告白、するつもりでいた。


最後に、観覧車で、ロマンチックに。



結果は…だめでも、ずっと一緒にいたいから、



勇気を出す。



「どーしたの？ボーッとしちゃってるよ｣



深瀬「え？あ、うん。考えごと。｣



当の本人に言われて、少し凹む。



Aの顔から目をそらして、反対側を向くと、



プリクラとか、が入っている、店の、ショーウィンドウが視界に入った。



『カップルにオススメ！ペアグッズ』


そう、看板が立てられていて、指輪、ネックレスなどのペアグッズが並んでいた。



あとでこっそり買おうかな。



もしも、付き合えたら。



「何弁当がいい??｣



深瀬「え…Aが選んで。｣



「え〜何にしよー。これとこれでいいや！｣



そう言って持ったのは、のり弁当と、サンドイッチだった。



すごく、シンプルな。



その変わり、安くて助かった。



Aにお金を渡したあと、会計して、そこら辺のベンチに座る。



深瀬「…うまい。｣


「美味しい｣


深瀬「そっちもちょうだい。｣


「あー、取った。｣


そんなAの声を無視して、目の前のビルを見つめる。


だってそこには、


Aのお父さんが、また、見えた。



Aが楽しそうに話していた相手。



俺は、相手の家族にまで、嫉妬、してしまった。



箸を持つ手が止まる。



深瀬「俺といて楽しい？｣



「うん。楽しいよ｣


深瀬「他の人より？｣


「多分。…そう。｣



ああ、駄目だ。


変なこと聞いてしまった。


口が、勝手に動いていって。


「次どこ行く？｣



深瀬「さいごにする？｣



「うん。最後と言ったら｣


「「遊園地。｣｣


もうすぐか、告白。


そう思い、ドキドキしながら食べた、のり弁当は、違う味に感じた。

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