白ひげ海賊団の愛娘【3】

イゾウと寝ぐずり ページ15

.

『んやぁぁぁ』


グズグズとぐずり声が響く船内。


お昼前からご機嫌斜めのようだ。


サ「A、眠てぇんだろ？また後で飯作ってやっからよ、スプーン離さねぇか？」


『やぁぁ、たべる、のぉ』


スプーンを握ったまま泣き出すA。どうやら眠気からくるぐずりなようだ。


『ふぇ、んぅ…ぐずっ、しゃっち、おいし、ふぇ』


サ「ん"…/////」


ハ「これじゃぐずってても可愛いしか残らないね」


涙目でふぇふぇと泣きながらも、サッチにご飯美味しいと伝えるAがいい子すぎて辛い。←


そのままコクリコクリと船を漕ぎながらもなんとか完食したA。


それでも眠らず向かったのはエースの所。


エ「随分と眠そうな顔してるな？」


『ね、むくなぁい！』


しゃがんで手を広げてくれるエースの胸に飛び込んで、肩に頭をぐりぐりしながら否定する。


エ「はは！こんなあったけぇのにか？」


眠くて体温の高いAをぎゅっと抱っこする。


『…………ぅ、えーす、めぇ…』


目を瞑りそうになった瞬間、自分は寝かされているということに気が付き目を開けるA。


エ「このまま寝ちまった方が楽だぜ？」


『やぁぁぁぁぁ！』


それからは朝の状態に逆戻り。


床に丸まって「やだ、やだ」とぐずるA。


心配でワラワラと集まる兄たちにもお構い無し。


そこへやって来たピンチヒッター。


イ「お嬢、おいで」


Aの傍に寄って声をかけるもAには届いていないようで蹲って泣いたままだ。


イゾウも無言のままAを抱き上げる。


Aの頭はしっかり肩口に預けられ、おしりはしっかりイゾウの腕に乗り、大きな手は背中をぽんぽんと叩きあやしている。


Aも体で抵抗する気力がないのか、そのままの状態で泣き声をあげる。


『やぁぁ、やぁのぉ！めぇ、のぉ！』


イ「嫌だな、ダメだな、わかっているさ」


『ふぇぇぇ、ぅ…ふぇ…めぇ』


イ「お嬢、ねちまいな」


『んぅ…いぞ……ｽｩ』


目に大きな粒を残したまま眠ったA。


一連の流れを見ていた船員たちはやはりイゾウには勝てないと思った。


エ「なんであやすのがそんなに上手いんだ？」


イ「あやしたつもりはない。ただお嬢を抱っこしたかっただけさね」


サ「やん惚れた。」←


イ「って事で今からAと昼寝してくるからな」


ハ「しっかり良い役持って帰ってるじゃん」


イゾウはやはり1枚上手だった。

.

お酒と酔っ払い(リクエスト)→←兄と大感謝祭

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す