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陸話 猗窩座side ページ9

俺はその刀の姿に驚くことしかできなかった。



「おい、何だ。その刀は…?」



『日輪刀は本来、持ち主によって色を変えるんです。でも、私の刀は違います…







"色なんてない"んですよ』



抜かれた刃は向こう側が見える"透明"なものだった。



『この刀、だいぶ変わっているんです。私がある感情に至ると、刀の色が変わるんです。それによって、技の威力も変わってくるので、とても扱いにくい。何も色が変わっていないのは、私が何も思っていない、どうでもいいと思っている…からでしょうかね?』



人間はその場に鞘を捨てると、刀をこちらに構えた。



『…本当によろしいのですか?』



「…あぁ、構わない」



どうせ、あの鬼殺隊(雑魚)と同様に大したことのない呼吸なのだろう。
人間は静かに息を吸う。



『…情の呼吸 壱の型 無着滅殺』



「…っ!?」



先程の位置から目の前に現れたかと思うと、既に刀は俺の身体を傷つけていた。



「なっ、ガハッ!?」



刀さばきはデタラメだった。とりあえず、相手の身体を傷つけるような剣筋だ。普通の剣士ならば相手を倒すという勢いがこもっているはずだが、それにはこもっていなかった。



無着滅殺…なるほど。敵のことなどどうでもいい…か…



倒れそうな身体でなんとか立つ体勢を保つ。
少しの間の技だったが、その間に数十の攻撃を受け、身体中は刀の穴ぼこだらけだった。



『ほとんどの戦いでは、この技しか使っていません。大丈夫ですか?』



敵の死すら無関心とはな。



この人間とは何か似ているような気がした。



「…認めてやるよ」



『ありがとうございます』



「だがな、一つ気に食わん」



やっと塞がってきた傷を確認しながら、今までの文句の一つを言う。



『気に食わないとは…?』



「その敬語だ。弱者に思えてくる。敬意はやめろ、その「さん」付けもだ」


人間は少しキョトンとした顔になるが_



『うん、ありがとう。猗窩座』



柔らかな笑顔で俺の名を呼んだ。
その時の刀は薄い桜色に染まっていた。



なんだ、ただ感情のない奴かと思えば。
心の底から笑えるじゃないか。

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美穂(プロフ) - 終わってしまって寂しいです (2022年8月19日 22時) (レス) @page33 id: c0f42fdb83 (このIDを非表示/違反報告)
A(プロフ) - 面白いです! (2019年11月6日 7時) (レス) id: f675202b80 (このIDを非表示/違反報告)
mayumi(プロフ) - この後、夢主ちゃんは鬼側即ち鬼殺隊の敵になるという事・・・。無限列車で煉獄は上弦の参に致命傷を負わされ、最後は夢主ちゃんに止めを刺されるシーン見たいですね。勿論柱達にも非業の最後もです。 (2019年10月19日 22時) (レス) id: 58f715f8f9 (このIDを非表示/違反報告)
シレア(プロフ) - 結婚しましょ((殴 あまりにも好きすぎて本音が出ちゃいました・・・け、結婚を前提にお付き合いしましょう!うん!それが良いです!(ダメです)語彙力が無いのでこのくらいしか言えないんですけど・・・作品鬼がかってて大好き過ぎるんです!頑張って下さい! (2019年9月23日 14時) (レス) id: 89e5ec03ad (このIDを非表示/違反報告)
五十嵐 夏目(プロフ) - 大好きです((( (2019年9月22日 23時) (レス) id: d58669ce2c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ユラン | 作成日時:2019年9月21日 18時

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