弱者の鬼ごっこ【鬼滅の刃】

弐拾陸話 柱side ページ29

「行くぞ」



「あぁ！」



実弥の合図に同時に攻撃を仕掛ける。



『へぇ。2人で仕掛けてくるとはね…でもさ、






それで今まで私に勝てたことあった？』




彼女の余裕のある笑みに2人は驚いたが、動きを止めず技を出した。



「炎の呼吸 壱の型 不知火」


「風の呼吸 壱の型 塵旋風・削ぎ」









『陸の型 万端の拒』








「「！？」」



「「「！？」」」



攻撃を出した2人だけではなく、その様子を見ていた者たちにも分からなかった。



確かに、2人が接近していた頃には、まだAは刀を構えていたままだったのだ。
それなのに







「跳ね返された！？」



「しかも、刀を振った素振りすら見せなかった！」



2人は攻撃を与える前に、後ろへと飛ばされ、Aは微動すらしていなかった。
そして、Aは刀を鞘に戻し





『…玖の型 厭怨呪抜刀・黒炎』





刀を抜き払うと同時に、大きな黒炎が現れ2人を襲った。




「「グハッ！！」」



「煉獄さん！？」



「不死川！？」



しのぶと天元が呼びかけるが、2人は黒炎に包まれ苦しんで返事を返すことができなかった。



「Aちゃん、お願い！2人を助けて！」



『なんで敵なんかを助けなきゃいけないんですか？私もそうやって、「お願い、やめて」て言いました。でも、貴女方は止めもしなかった。でも…』



黒炎を纏う刀を鞘に収めると、2人を包んでいた黒炎が消えた。



『見逃しますよ。こんな簡単に死なれちゃ、私の恨みが晴れませんから』



「おい、待て。俺たちを忘れてはいまいな？」



「帰るのでしたら、私たちを倒してからにしなさい」



「勝ち逃げなぞさせんぞ」



「派手にやりあおうぜ！」



「嗚呼、なんと悲しい…かつての仲間と戦うことになるとは」



「A、戻ってきて」



「Aちゃんとは戦いたくないけど、貴方を止めるためなら！」



御館様を守っていた柱たちが、立ち去ろうとするAの前に立ちはだかる。

弐拾漆話→←弐拾伍話 柱side

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す