拾肆話 ページ17
「Aはいるか?」
『あっ、無惨様!お帰りになられたのですね!』
「お帰りなさいませ…」
半天狗と話していると、襖を開ける音がした。そこには、無惨様がいた。
半天狗のお爺さんは、あの4人の鬼と仲良くなったところをこっそり見ていたらしく、そのことで警戒心を解いてもらい、怯えてることはなくなった。
「A、私が留守の間は大丈夫だったか?」
『はい。皆と仲良くなりましたし、とても楽しかったです』
「そうか…半天狗、席を外せ」
「承りました」
私と無惨様に礼をすると、ちょこちょこと部屋を出て行った。それと代わるように無惨様が入り、私の前に座った。
「傷はもう治ったようだな。少し話がある」
『はい、なんでしょうか?』
「そろそろ仕事をしてもらいたいと思ってな」
『仕事…ですか』
無惨様からやっと仕事をもらえたことに、密かに胸を踊らせた。
「ある下弦の鬼の視察と言ったところか。それをAに任せたいと思う。行動は自由で構わないが、必ず此処に戻って来い」
『分かりました。無惨様の御期待に添えるよう、務めて参ります』
「鬼殺隊の隊服は二度と着るな。衣服は私が用意したものを着るように。衣服を」
「はい。こちらでございます」
女中がその衣服を持って私の前に置いた。広げてみると、それは黒い服で、一度見た事のあるものだった。確か、街中を歩いていた時、女子学生が着ていた可愛らしい服だ。
『これは、西洋の服ですか?』
「あぁ。"セーラー服"と言う。異国の軍服をもとに作られたらしい」
『こんなものを…無惨様、ありがとうございます!』
頭を下げて礼をした。無惨様は言葉を加える。
「それと、強くなりたいと言っていたな。黒死牟にAの稽古に付き合うよう伝えてある」
無惨様…私のためにそこまで…
『無惨様の御恩を無駄には致しません。私は強くなります』
「あぁ、期待している」
立ち上がる際に私に微笑んでくださると、部屋から出て行った。
『さっそく、服を着てみようかな…』
その場で着ていた着物を脱ぎ捨て、セーラー服に着替える。下が空いているので少し落ち着かないが、とても動きやすい服だった。
ついでに、黒のニーハイソックスと革靴も履いてみて、とても新鮮な気持ちなったのだった。
やっと私は動き出した。
これを知ったら、"彼ら"は一体どんな顔をするのだろうか___
330人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
美穂(プロフ) - 終わってしまって寂しいです (2022年8月19日 22時) (レス) @page33 id: c0f42fdb83 (このIDを非表示/違反報告)
A(プロフ) - 面白いです! (2019年11月6日 7時) (レス) id: f675202b80 (このIDを非表示/違反報告)
mayumi(プロフ) - この後、夢主ちゃんは鬼側即ち鬼殺隊の敵になるという事・・・。無限列車で煉獄は上弦の参に致命傷を負わされ、最後は夢主ちゃんに止めを刺されるシーン見たいですね。勿論柱達にも非業の最後もです。 (2019年10月19日 22時) (レス) id: 58f715f8f9 (このIDを非表示/違反報告)
シレア(プロフ) - 結婚しましょ((殴 あまりにも好きすぎて本音が出ちゃいました・・・け、結婚を前提にお付き合いしましょう!うん!それが良いです!(ダメです)語彙力が無いのでこのくらいしか言えないんですけど・・・作品鬼がかってて大好き過ぎるんです!頑張って下さい! (2019年9月23日 14時) (レス) id: 89e5ec03ad (このIDを非表示/違反報告)
五十嵐 夏目(プロフ) - 大好きです((( (2019年9月22日 23時) (レス) id: d58669ce2c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ユラン | 作成日時:2019年9月21日 18時