笑顔とは…… (ページ29)

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照史side

玄関からものすごく大きな音がしたから

見てみれば、Aが屈んで座っていた。

肩が小刻みに震えてて、息が上がっている。

照『A？どうしたん？』

そう聞けば

「っ、あ、嫌だ。もう嫌。やめて……」

やめてって、親父さんのこと？

とにかく今は落ち着かせないと、

照『A、落ち着きや』

そういい、肩に手をおこうとした時

「触んなっ！！」

思いっきり手を叩かれた。

これはやばいと直感で感じ取った。

ちょうど運良く全員帰ってきた後やったし、

誰かに聞こえるように叫ぶ。

照『誰か！！こっち来てや！！』

結構大きい声で叫んだんやけど、

Aには一切聞こえてないようだった。

ずっと震えてる。

淳『なにがあったん？』

そう淳太くんの声と共に全員が玄関へ来てくれた。

照『Aが焦ってたんよ、やから落ち着かせようとしたんやけど、触んなって振りほどかれてん』

神『……せやな、思い出しちゃったんかな』

そう言って神ちゃんがAに近づいた。

神『Aちゃん？大丈夫やで？俺らしかおらへんよ』

すると突然

「私に触んないで！！」

って叫んだA。

これはやばいかもしれへん

そう思ったのも束の間で、

Aが急に倒れた。

神『のんちゃん、Aちゃんリビングまで運んでくれへん？』

望『お、おう』

望は軽々Aを持ち上げ部屋へ移動した。

他のみんなもゾロゾロとついて行った。

．

重『……えっと、Aは大丈夫なん？』

照『分からへん。でもなんかあったんやろ』

濵『なんもあらへんかったらこんなことになってないやん』

神『Aちゃん、何があってん……』

神ちゃんがそう問いかけても

苦しそうな顔でAは眠り続けている。

望『Aが起きてからゆっくり聞かせてもらお』

流『せやな。今はそれが一番やと思う』

淳『よし、飯食うぞ！』

今日の飯は神ちゃん特性の唐揚げやった。

みんな大好きなはずなのに

食卓にいつものような弾んだ会話はなく、

ドヨンとしていた

はよ聞かせてや、Aに起きたこと……。