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あなたside
もうどこでもいいから助けて欲しかった。
こんな私でも受け入れてくれる人がいるのか
不安だったけど、それもまた信じるしか無かった。
すぐに部屋を借りられる所を探した
今お金に迷っていたらバレるかもしれない、
金額に糸目をつけず
私は小さな借家を借りた。
お金に余裕はある、
母親が残してくれた全財産。
母親も私と同じだった。
あいつにいつも罵倒されていた、
あの家で唯一私に優しかった人間だった。
……
だから
死んだって聞かされた時、気が気じゃなかった
病気だって言われたけど信じられなかった
あいつのせいだって
けどあいつはお構い無しに何かを探してた。
『どっかに隠し財産があるはずだ!!探せ!』
『無いわけないだろ!!数億はあるはずだぞ!!』
お母さん。
なんであいつと結婚したの?
なんで私を産んだの?
母親はそんな問い掛けには反応しない。
私の目の前で眠っているんだから。
葬儀の人がやってきた時
もう居ないんだって、
生きてないんだって思った途端
涙が止まらなかった。
初めて人の前で泣いた日だったと思う。
何も出来なかった自分が悔しくて仕方なかった
『……あの、お母様がつけていたネックレスなんですが、火葬する時燃えないのでお預かりしてもよろしいですか?』
ネックレス……?
そんなものつけてた、?
その瞬間母親の声が聞こえてきた気がした。
" A、ちゃんと生きるんだよ "
「そ、それ。貰ってもいいですか」
『あ、どうぞ』
「ありがとうございます。」
そのネックレスは、まるで母親のような
白くて綺麗な色をしていた。
先端には小さい花のようなものが着いていた。
……大事にしないと。
そんなことを思いながらネックレスを触ってると
カチッ
っと何かが押される音がした。
手元を見てみると花の色が白から黄色に変わり
チェーンのところに文字が細かく出てきていた。
集中して見ると、
" ラタラシラベロ "
……ラタラって何、?
私はすぐ調べた。
頭の良かった母親が無意味なことするとは思えなかったから。
あった。
……パスコード必要って、
でもパスコード入力の下にこれもまた小さな字で
" 私の誕生日、あなたなら分かるでしょ "
うん、ちゃんとわかるよ、
【2050】
ひ、開いた。
私は恐る恐る、そのページを読み進めた。
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作者名:どりあんしか勝たん | 作成日時:2020年12月8日 22時