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HS「ヤー。3人で集まるとやっぱり懐かしいよね」
「そうだね」
WZ「腹減った」
何の嫌がらせか、3人で居酒屋のテーブルを囲むこの感じが気持ち悪くて仕方ない。
相変わらず笑顔のスニョンに、Aも今日はスニョンの彼女としての立ち位置で行くらしいことを感じ取って、まあそりゃそうだと自分に呆れて失笑した。
HS「2人って同窓会以来だよね」
「そうだね」
WZ「連絡先も知らねえし」
スニョンがいるだけで、俺とAの距離はまるで他人のように遠くなる。手を伸ばせば触れられる距離なのに、見えない壁に阻まれている感じ。
HS「ていうかさ、2人っていつからそんなに余所余所しくなったっけ？」
「んー。高校生かな？ジフナが急に私のこと避けはじめたから」
WZ「避けてねえって。おまえらが人気すぎて近づきたくなかっただけ」
「それが避けてるって言うんでしょ」
WZ「…チッ」
大きく舌打ちをしたらテーブルの下でAに足を踏まれた。睨み付けてもAは視線をスニョンに向けてやがって俺なんか見ていないけど。
HS「でもさ、ジフナっていつも俺とAが人気者だって言ってたけど、おまえも相当人気あったからね」
WZ「は？俺が？」
HS「おまえが知らなかっただけでしょ。陰でめっちゃ騒がれてたから。ね、A」
「あー…だねー。私の友達にもジフナのこと紹介してってよく言われたもん」
HS「まあ、ジフナは興味ないか」
Aの顔が少しだけむすっとした顔に変わったような気がして、思わず笑ってしまった。それをスニョンは、俺が女に興味ないという笑いなんだと感じたみたいだけど。
スニョンがトイレに立った時、Aの手に指を絡めたらAが視線を俺に向けた。
WZ「なにおまえ。俺が人気あったの知ってたの？」
「当たり前でしょ」
WZ「へえー。で？その友達、俺紹介してもらってねえけど？」
「……」
WZ「ふはっ、わかりやす」
「だって、紹介したらジフナ取られる気がしてたんだもん」
やっぱり思い込みじゃなかったことが嬉しくて。ムッとしているAの手を引っ張って、触れるだけのキスを落とした。
WZ「で、8年経っておまえのものになった俺はどう？」
「…まあ、悪くない」
WZ「あっそ。ならよかったわ」
俺はおまえのものなのに、おまえは俺だけのものにはならねえんだろうな。
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作者名：緋夏
| 作成日時：2020年3月27日 15時
