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WZ「そういや、今日スニョアは？」
「残業だって」
WZ「あっそ」
ホテルの一室。シャワーから上がった俺はバスローブに身を包んで、ベッドでシャンパンを飲んでいるAに声をかけた。
あの日から、ずっとこんな関係が続いている。
Aは俺と身体を重ねながらもスニョンとは別れねえし、俺も俺でAに俺と付き合ってほしいなんてことも言わなかった。曖昧な関係だけど、身体だけの関係ではない。お互いに想いがないわけではないし、そもそも気持ちのない行為程虚しいものはねえから。
「ジフナ、いま何考えてる？」
WZ「ん？別に」
そう言って俺の腰に腕を回してくるA。手に持ったままのシャンパンに、俺にも頂戴とそう言えば、Aはにこっと笑ってそのシャンパンを自分の口に含んだ。そしてAの口からシャンパンを味わう。
WZ「あー、美味いわ。つうかおまえ、それ高いやつ頼んだろ」
「いいじゃない。美味しいんだから」
WZ「そのシャンパン分、俺を楽しませること出来んの？」
「もちろん」
そんな強気な発言をしたAが俺をベッドに押し倒した。
Aはきっと普通に見て美人の部類に入るんだろうけど、俺は別に美人が好きなわけではない。Aの強気な発言や子供っぽい表情が、俺に崩されていくのを見るのが好きなだけ。段々と余裕のなくなっていくAの表情ほど、そそられるものはない。
「わ、」
WZ「…ふっ」
Aのバスローブを引っ張れば見えたのは鎖骨に広がるキスマーク。スニョンはああ見えて独占欲が強いから、Aが自分のものだと、こういうのを付けて確信したいのかもしれない。
WZ「スニョアがつけたキスマーク見ながらおまえとすんの、マジで興奮すんだけど」
「趣味悪い」
WZ「俺も付けてい？」
「ダメ」
WZ「スニョアの奴、ひとつくらい増えても絶対気付かねえと思うけど」
「案外スニョアって鋭いんだよ？」
あの能天気が鋭い？まさか。有り得ないと笑い飛ばしてやったら、Aは俺に跨ったまま鎖骨に唇を寄せた。
「ジフナの真っ白な肌にこそ、紅い花は綺麗に栄えるね」
WZ「…もっと上に来て」
「上？」
俺に跨ったまま不思議そうな顔をして上がってくるA。そんなAの太ももに唇を寄せて、小さな赤い花を咲かせる。
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作者名：緋夏
| 作成日時：2020年3月27日 15時
