ROUND UP -紫蘭- (ページ7)

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撫子ページ7

お嬢 side

隣を歩く"彼"は長谷川慎。この国の秘密警察に所属している。警察学校では常にトップの成績だったキレ者。

今回の仕事は、我々の組織においてもかなり大きな仕事。秘密警察が動くことを想定し、早い段階から懐に入るのが良いだろうと言う話になった。ハッキングをするにも限界があるし、警察の上層となると、話を聞き出すのも難しいと判断した父は、私に長谷川と接触するように指示。

見事、作戦は成功。

_______ 今の私は、長谷川慎の彼女、というわけだ。

慎「 …真衣？どした？寒い？」

『あ、ううん、ちょっと考え事！慎は毎日毎日、あの事件の事考えてばっかりで疲れてない？大丈夫？』

慎「しんどくないわけじゃないけど…真衣の顔みたら癒されるから大丈夫。」

『なにそれ〜。』

想定外だったのは、彼が想像以上に真っ直ぐで一途で、彼女に甘いということ。最初は慣れなくて戸惑った。

私は、任務と割り切って付き合っているのに、相手はそんなこと知らずにまっすぐ思いをぶつけてくる。

調子が狂うってきっとこういうことなんだろうな。

『最近どう？お仕事上手くいってる？』

慎「うーん、微妙だな。これといった収穫はないって感じ…。けど、真衣も、真衣のお父さんも絶対守るから安心して。これは絶対。」

『ありがとう。』

こうやって、真っ直ぐ想いを伝えてくれる彼。

_______ 私が普通の女の子だったら、

そう思ったところで、考えるのを辞めた。

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