鉛色 ページ4
??side
時刻は夜8時過ぎ。
?「 拓磨と慎はもう上がって良いよ〜。」
そう声を掛けてくれたのは、この班の班長である陸さん。
ここ最近の事件のおかげで俺たち秘密警察は休み無し。終業予定時刻を破り続ける毎日だ。
これ以上被害者を出すわけにはいかないから、仕方ないと言えば仕方ない。
拓磨「 上がっていいんですか?まだこの資料まとめ終わってなくて… 」
?「 それは俺がやっとくし、今日は帰って寝なよ。明日動けない方が困るからさ。」
そう言ったのは、健太さん。俺らより少し先輩になる。いざという時に頼れる人だ。
陸「 慎も今日は終わり。それは明日やれば大丈夫だから帰んな?可愛い彼女が待ってるんだろ?」
『 じゃあ、お言葉に甘えて…お先に失礼します。』
健太「 良いなぁ〜慎は。可愛い彼女がご飯作って待ってるなんて。」
そう、俺には付き合って半年になる彼女がいる。完璧に俺の一目惚れだったけど、向こうも気になってくれていたようで、今の関係になるまでに時間はかからなかった。
可愛くて、料理が上手で気が利く。非の打ち所がなさすぎて心配になる。
陸「 健太には俺が奢ってやるから、もうちょっと頑張ろうな?」
健太「 はぁ〜〜い、俺も可愛い彼女の手料理が食べたいんだけどな…。(⚠︎健太に彼女はいません)」
拓磨「 じゃあ、お先に失礼します。お疲れ様でした。」
『 お疲れさまです。』
メッセージを開くと、
真衣から【 ご飯作って待ってるね?】の文字。
今からすぐそっち行くね、と返信して急いで電車に乗った。
電車の窓からは、雨が降り出しそうなどんよりした曇り空が伺える。傘持ってきたっけな…なんて思いながら、俺は最寄駅に着くまで…と目を閉じた。
??side→慎 side
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作者名:m. | 作成日時:2022年11月17日 16時