嘘から生まれたボク Ⅱ (ページ30)

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玉森side

池｢…いいんですか？｣

玉｢え？｣

あ、まさかの。

まんざらでもない感じ？

母｢新年早々Aくんに会えるなんて、私も嬉しい｣

池｢俺、本当に来ちゃいますよ？笑｣

母｢大歓迎するっ｣

池｢あはは、嬉しいなぁ。

どうしよう玉、俺こんな幸せでいいのかな？笑｣

…笑ってる。

Aが笑ってる。

玉｢…いいんだよ！

こんな所でよければ、いつでもおいで｣

池｢ふふ、こんな楽しい正月初めてだわ｣

Aは本当に楽しそうに

心の底から笑ってるように思えた。

ただうちに呼んで

お節食べてもらっただけなのに

なんでそんなに幸せそうなの？

.

.

池｢今日は楽しかった。

呼んでくれてホントありがとう｣

｢泊まってけば？｣

と言ううちの親のゴリ押しから

何とか逃げ切れたA。

池｢玉の親戚の人たち、みんな楽しい人たちだね｣

玉｢バカなだけだよ｣

池｢それがいいんじゃん｣

玉｢Aは？大阪どうだった？｣

俺が聞くとAは

ふふっと笑って、ぱちっと瞬きをした。

…まだ言えないか。

玉｢俺の今年の抱負言っていい？｣

池｢ん？｣

玉｢Aが何でも話せる存在になりたい。

今は言えないその話も、Aの過去も
今年の俺はちゃんと聞けるように、頑張るね。｣

池｢…玉｣

玉｢もっと信用してもらえるように頑張るよ、俺｣

池｢ごめんね｣

玉｢謝らないでよ笑｣

池｢ん、じゃあ俺帰るね｣

玉｢気をつけて｣

Aは車の窓を閉めて、走り去って行った。

車が見えなくなるまで

俺はずっとその場に立っていた。

今年の抱負、嘘なんかじゃないからね。

もっともっとAに近付きたい。

時折見せる悲しい顔の

何も映さなくなる瞳の色の

理由を教えてもいいと思える存在に、なりたい。

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