今日から家族 2

同窓会 ページ16

高校のクラスの同窓会に誘われ、行くのも迷ったけどAに行ってこいと言われ来た。

最初はそんな乗り気じゃなかったけど、やっぱり地元の友達に久々に会うのは嬉しい

どんどんみんな酔いも回ってきて、身内ネタを話し始める



「玲於、さいきんどうよ」

『どうって…笑 別に普通だけど。
お前は？結婚して子供もいるんだろ』

「まあな…笑」

『何その反応』

「いや、独り身のお前は気楽でいいよな笑」



もちろんAと住んでることも、ましてや涼太を育てていることなんて誰にも言ってない

そして事実、独り身であるといえば独り身なんだけど

こいつになんの悪気も無いこともわかってるけど、「お前は気楽でいいよな」の一言にやけに腹が立つ




『気楽ってどういうこと？』

「別に深い意味は無いよ。
俺さあ、正直もっと遊んでたかったんだよ」

『ああ』

「子供の世話も嫁さんに任せっきりなのは申し訳ないとは思うけどさ…」

『うん』

「あいつ俺が疲れて帰ってきてんのに晩飯も用意しねえでソファーで寝てる時あるし」

『は？』

「子供の夜泣きもすげえし…
それも泣き止ませられない嫁。俺の金で生活できてんのわすんなよって思ったよな 笑」



俺の様子にも気付かずにベラベラと話を続けるコイツ。こいつ正気なの？



『お前自分が何言ってるかわかってんの？』

「え？」

『お前だって頑張ってんだろうけど、嫁さんも頑張ってんじゃねえの？お前も手伝ってやれよ』

「手伝ってやれって…笑
家事育児は嫁の仕事だろ」

『お前正気？お前の子供でもあるんだからお前も…』



俺がそこまで言いかけたところで話を遮られる



「まあまあ、そんな怒んなって。
お前は子育てしたことねえから俺の気持ちなんてわかんねえだろ？笑」



聞いてればずっと子供と嫁の愚痴。でも”独り身"という肩書きを持ってる俺は何も言うことは無い

でもなんで俺はこんなにコイツに腹が立ってんだ？



「…俺も悪かったよ。飲み直そうぜ」

『俺も…ごめん、』

「よし、明るくパーッと行こう！」



飲み直してどんどん酒が進んでも考えるのはさっきのこと。なんで俺はあんなに腹が立ったのか

聞いてて腹たったから？愚痴を聞くのが嫌だから？



違う、そんなんじゃない。
コイツの嫁さんと子供にAと涼太を重ねてた

俺にとって大切な2人の愚痴を言われてる気がしたんだ

ああ胸糞悪ぃ
早く帰って涼太とAに会いたい




今、俺Aにも会いたいって思った…？

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