第2話「姉弟水入らず」 ページ4
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「五条悟に隔たりなく指図が出来るのは、実の姉である五条A、貴様だけだ」
「五条悟は異端児だ」
「奴の引き留め役には、貴様が適任と思っておる」
『…光栄です』
上層部に呼ばれ、何事かと思えば何回も言われたその言葉。
実の姉だからといって、私が何も気にせずバシバシ言えると思ってる所が、本当バカ。
「虎杖悠仁の件、一刻も早く説得しろ」
『…おいそれとアレが言うことを聞いてくれるか分かりませんが、…善処します』
「期待しているぞ、五条A」
…断れるもんなら断りたかったけど、前キッパリ断ったら昇格邪魔されたんだよね。ほんと、権力でしか強さをアピール出来ないのかな。
心の中ではそんな悪態をつきつつも、表情は表に出さず、軽く会釈し私はその場から立ち去る。
はぁ…心底ダルい。何故私はこんな面倒な家系に生まれ、しかも"最強"なんて肩書きの持つ厄介な男の姉なんかになってしまったのか。きっと前世の私は余程の大罪を犯したのだろう。悪いことはするもんじゃないね。
「あっ、Aお姉様じゃないですか〜！」
げっ、と思わず声が出た。背後からは腐るほど聞いた弟の声。聞く人が聞けばイケボなんて思うかもしれないが、私には不快にしか感じない。
振り向くと、黒い目隠しに黒い服…全身黒ずくめの完全に怪しい風貌の弟が私に手を振りながら駆け寄ってきた。
「お久しぶりです〜、お姉様。何ヶ月ぶりですかね？」
『つい先週会ったばかりだけど』
「あ、先週ね。
…まぁ、お姉様もお変わりなくて安心しましたよ。何の連絡も無いんで、死んじゃったかと思いました」
煽るように笑った悟。本当、憎らしいったらありゃしない。私は湧き上がるイライラを必死に噛み殺して、さも普通の声音で返す。
『……ッあのね。用もなく普通連絡しないから。アンタがポコポコ用もないのにスタ連してくるから、ブロックせざるを得ないの。あと勝手に殺すな』
「えっ嘘、僕ブロックされてるんですか。なんで？
ま、いっか。
ところでお姉様は高専へ何しに？」
切り替え早いな、と呆れつつ、『上に呼び出された』と答えれば悟は「くくっ、成程ね、」と喉を鳴らした。
「道理で顔がやつれてると思いましたよ。ちょっと痩せました？」
『誰のせいだと…』
ため息をつけば、「野暮なおじいちゃん達では？」とガチトーンで言い出す悟。
そうだけど元々の原因はお前なんだよ。
それにストレスでヤケ食いして逆に2キロ太ったとか絶対言わない。
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RITZ(プロフ) - え、終わった…？ (2022年1月10日 19時) (
レス) @page6 id: 825d470023 (このIDを非表示/違反報告)
舞 - 続きが読みたい！です！ (2021年10月31日 0時) (レス) id: e80a4daaf8 (このIDを非表示/違反報告)
レネット(プロフ) - 更新待ってます (2021年2月26日 23時) (レス) id: ec8ec8961f (このIDを非表示/違反報告)
。 - とても面白いです!腹の底ではいったい何を考えてるのか…！！！五常悟のお姉さんの物語、さらに敬語の五常悟が見れるなんて！！！とても新鮮で読んでいてとても楽しかったです！ (2021年2月19日 23時) (レス) id: 0b60fa6ccb (このIDを非表示/違反報告)
ノエル(プロフ) - とても面白いです。更新頑張ってください。 (2021年2月19日 17時) (レス) id: f7611d8971 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：グミ | 作成日時：2021年2月15日 19時
