リトル・ヒアー III (ページ25)

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『いらっしゃいませ、2名様でよろしいですか？』

｢2人です、！あのー、、｣

『はい？』

｢静かめの席、とかありますか？｣

『ご希望でしたら仕切りのついた席にご案内させていただきます。いかがなさいますか？』

｢あ、じゃあそこで…！｣

結構ガヤガヤしてる店内だったから、一応店員さんに聞いてみれば快く案内してくれた。

慣れない音が気になって食事楽しめないの、普通に辛いじゃん？

だから、これならAも過ごしやすいなって優しいお店側の気遣いに感謝。

｢え、オムライスあんじゃん！｣

A｢だからここが良いかなあって思った！｣

メニューにあるオムライスに喜べば、嬉しそうにAが笑うから
そんなに好きだったっけ？って浮かんだハテナ。

｢食いたかったの？｣

A｢うーん…わく、食べたいかなあって思って｣

…そうだわ、Aってそういう子だった。

自分が好きなものを1つ選ぶよりも、みんなが喜ぶものを選んで笑ってるのを見る方が嬉しく感じる、そういう子。

だから俺が言う言葉は
もー、とか好きなとこで良かったんだよ？とかそんなんじゃなくて…こっち。

｢ありがとな、嬉しい｣

A｢ふふ、…！｣

｢ほんっとお前…｣

かっわいい、、、。

もうなんか、正直俺お腹いっぱいかもしれない…。

今日食べるオムライス、世界一美味しい気がする…

なんて、まだ頼んでもいないのにばかみたいなことを考えながら
目の前に置かれた水をぐびっと飲みほした。

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