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玖拾漆 ページ30





『…ッ!…義勇さん…?』


台所に立ち、私がお皿やグラスなどの食器を黙々と洗っていると、突然背後から義勇さんが私を抱き締めるかのようにしてくっついてきた。

気配も何も感じることなく唐突に抱き締められた為、動揺して驚いた私は思わず手に持っていたお皿を落としそうになってしまう。


『あっ、あの、どうしたんですか……?』


一旦食器を洗う手を止めた私は、義勇さんに恐る恐るどうしたのかと聞いてみる。

キュンキュンと大きく高鳴る胸の音が、義勇さんに聞こえてしまうのではないかと思うほど近い距離に、私は戸惑いを隠せなかった。


「……駄目か」


すると、義勇さんはただ一言私にそう言って、肩口に顔を埋めてきた。義勇さんの髪が首に当たって擽ったい。


『駄目…じゃ、ないですけど……その…ッ』


その擽ったさに一瞬肩をすぼめて反応してしまった私は、恥ずかしさをなんとか堪えながら、義勇さんに離れてもらおうという頼みを言おうとする。


「…A」

『はいっ』

「好きだ」


けれど、私よりも先に口を開いた義勇さんに先手を打たれてしまった。私がその言葉に弱いことを知らないとはいえ、このタイミングでのそれはずるい。


『あ、後でちゃんと構ってあげますから…っ
だから今は、我慢して貰えませんか…?手が止まってしまいます…』

「……本当か」

『本当です!後でなら義勇さんのお願い何でも聞きますから…!今は、駄目です…ッ』


それでも踏ん張って、何とか義勇さんを離そうとした私は、自分がとんでもないことを言ってしまっていたことに、この時は気づいていなかった。


「……わかった」


私の言葉を聞いて、義勇さんは私のお腹に回していた腕の力をそっと緩める。そして、肩口から顔を離すときに首筋にキスをされるというワンクッションがあったものの、無事義勇さんは私から離れてくれた。


そして私は、ホッと胸を撫で下ろし、再び食器洗いに戻る。それから私が全ての片付けを終えるまで、義勇さんは私に話しかけてくることも近づくことも無く、ただじっと私を見つめていた。



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Luccica6(プロフ) - あたしもリアタイで見ましたよ!見逃しではスクショいっぱい撮りたいです!義勇さんの表情がとっても豊かで面白かったですよね!義勇さん推しにはたまらない!! (8月25日 8時) (レス) id: 0e0c076021 (このIDを非表示/違反報告)
空讃岐 - 分かります!私もアニメをリアタイで見ました!私も義勇さん推しです!私もぎゆしのは地雷です。でも、恋愛じゃなくて仕事仲間としてなら大丈夫なんですけどね(笑) (8月25日 3時) (レス) id: 0f3cd23380 (このIDを非表示/違反報告)
無一郎と義勇が可愛いくて仕方ない隊(プロフ) - 顎の骨割れるw (8月25日 1時) (レス) id: 774efab444 (このIDを非表示/違反報告)
さな(プロフ) - カナヲちゃんの容赦ない蹴りで凄い笑ってしまいました.w (8月25日 0時) (レス) id: 5d24f2ef59 (このIDを非表示/違反報告)
無一郎と義勇が可愛いくて仕方ない隊(プロフ) - 来週私、テスト勉強で、見れないんです。つらい (8月25日 0時) (レス) id: 774efab444 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:3℃ | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/docee_3  
作成日時:2019年8月20日 14時

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