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捌拾漆 ページ19

Aside



……温かい、人の温もりを感じた。

その温もりからは、沢山の強い願いが私に伝わってきている…そんな気がする。


死ぬな、諦めるな。

どうか目を覚ましてくれ。

頼む…生きてくれ。


その願いが、何度も私の頭の中で繰り返されて。
一体、何があったのか分からないけれど、何だか誰かに起こされているような気がした。

真っ暗な闇の中から、誰かが私を連れ出そうとしてくれている。その気持ちが私に伝わってきて、起きなきゃという強い意思が私の中で芽生えた。


『……』


でも何故か、上手く目を覚ませなくて、私は未だ暗闇の中。瞼が異常な程に重たい。

……でも、握られているのか、温もりを感じる手だけは何だか軽くて、動かせるような気がした。


「……!…A…?
A…気が、付いたのか…?」


微かな力を込めて、手を動かしてみると、遠くの方から何度も私を呼ぶ、懐かしく愛しい声が聞こえてくる。

初めはその声の主が分からなかったけれど、だんだん頭の中がクリアになってきて、私は気がついた。


……ああ、これは…義勇さんの声だ。


じゃあ、今手を握ってくれているのも、義勇さんなのだろうか…ああでも、もう一人いる。

反対側の手も、いつの間にかあたたかい温もりに包まれていた。もう随分前から握られているようだ。


「……A、諦めてはいけないよ。
Aは今回、十分に頑張ってくれた。私はそのお礼を君にしなければならない。

だからどうか……義勇の為にも、起きてほしい」


……この声は、この話し方は…まさか、お館様?


ああ、駄目だな…私、お館様にまでご心配をお掛けしてしまって……情けない。


早く…早く、起きなきゃ。


『……ぎ、ゆう…さん、お館、様…?』


声が掠れて上手く出なかった。
……でも喋れた、名前を呼べた。

さっきまで鉛のように重く、あれほど開かなかった瞼が、今は容易く開けるようで、私は薄らとゆっくりと、目を開ける。差し込んできた光が眩しかった。


「……Aッ」

「…おはよう、A。気分はどうかな?」


そして視界には、はっきりと。
今にも泣きそうな顔をした義勇さんと、安心したかのように私を見つめるお館様がいた。



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Luccica6(プロフ) - あたしもリアタイで見ましたよ!見逃しではスクショいっぱい撮りたいです!義勇さんの表情がとっても豊かで面白かったですよね!義勇さん推しにはたまらない!! (8月25日 8時) (レス) id: 0e0c076021 (このIDを非表示/違反報告)
空讃岐 - 分かります!私もアニメをリアタイで見ました!私も義勇さん推しです!私もぎゆしのは地雷です。でも、恋愛じゃなくて仕事仲間としてなら大丈夫なんですけどね(笑) (8月25日 3時) (レス) id: 0f3cd23380 (このIDを非表示/違反報告)
無一郎と義勇が可愛いくて仕方ない隊(プロフ) - 顎の骨割れるw (8月25日 1時) (レス) id: 774efab444 (このIDを非表示/違反報告)
さな(プロフ) - カナヲちゃんの容赦ない蹴りで凄い笑ってしまいました.w (8月25日 0時) (レス) id: 5d24f2ef59 (このIDを非表示/違反報告)
無一郎と義勇が可愛いくて仕方ない隊(プロフ) - 来週私、テスト勉強で、見れないんです。つらい (8月25日 0時) (レス) id: 774efab444 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:3℃ | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/docee_3  
作成日時:2019年8月20日 14時

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