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捌拾伍 ページ17

冨岡side



「あとは頼んだ」


鴉から連絡を飛ばしていた為、戦いが終わった丁度その頃にやってきた隠の奴らにその場を任せた俺は、ボロボロの体で浅い呼吸を繰り返しているAを背中に担ぐ。


「……もう少し、頑張るんだ…!」


Aが任務の前にかけてくれた香りのおかげで、俺は殆ど長い戦闘を交わさずに、体力を消耗することなく十二鬼月を倒せた為、疲労は溜まっていない。

……その代わり、俺の分までAが苦しい戦闘を強いられてしまったみたいだが。

背中に担いだ軽く小さな体をしっかり抱えて、俺は一気に山を下山して蝶屋敷を目指して走り出した。


時折聞こえるAの微かな息遣いや苦しそうな呻き声を聞く度、自分の胸が痛く締め付けられる。


……Aは、怪我ひとつしていない俺を見て、何を思っただろうか。きっと、俺との差をまた感じたのだろう、自分はまだまだ強くなんかないと悔しい思いをしただろう。

でも、それは違うんだ。


「……くそっ…!」


序盤で二手に別れてから、一度毒がかかった霧の場所は通ったが鬼の気配はなかった。そのまま迂回しながら山頂を目指したが、多すぎる雑魚鬼達に足止めされてしまった。

Aの香りのおかげで、言われた通り手こずることも無く突破できたが、それでも数が多すぎた。


……だが、俺が遭遇した鬼達はどれも雑魚レベルの者ばかりで。その時点で俺は判断を間違えていたのかもしれない。

すぐにでも、Aと合流すべきだった。


毒霧をまいていた鬼もきっとAが倒したのだろう。体の異変から、毒がもうかなり回ってしまっていることが分かる。

途中、霧が少し晴れたのもAが毒霧の鬼を倒したから、そしてまたその後霧が完全に晴れたのも、全部Aの手柄だ。


……俺はただ、信じて待っていてくれたAの後に続いて十二鬼月の頚を斬っただけ。

情けないのは、俺の方だ。


それに、Aは大勢の人を守りながら十二鬼月と戦っていたのだ。いくら柱でも、そう簡単にできることではない。


どれだけ辛かっただろうか、苦しかっただろうか、痛かっただろうか。俺はそれを分かってやれない。


だからせめて、背中におぶっているAを一秒でも早く蝶屋敷に運んでやらなければいけない。


今の俺に出来ることは、ただそれだけなんだ。




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Luccica6(プロフ) - あたしもリアタイで見ましたよ!見逃しではスクショいっぱい撮りたいです!義勇さんの表情がとっても豊かで面白かったですよね!義勇さん推しにはたまらない!! (8月25日 8時) (レス) id: 0e0c076021 (このIDを非表示/違反報告)
空讃岐 - 分かります!私もアニメをリアタイで見ました!私も義勇さん推しです!私もぎゆしのは地雷です。でも、恋愛じゃなくて仕事仲間としてなら大丈夫なんですけどね(笑) (8月25日 3時) (レス) id: 0f3cd23380 (このIDを非表示/違反報告)
無一郎と義勇が可愛いくて仕方ない隊(プロフ) - 顎の骨割れるw (8月25日 1時) (レス) id: 774efab444 (このIDを非表示/違反報告)
さな(プロフ) - カナヲちゃんの容赦ない蹴りで凄い笑ってしまいました.w (8月25日 0時) (レス) id: 5d24f2ef59 (このIDを非表示/違反報告)
無一郎と義勇が可愛いくて仕方ない隊(プロフ) - 来週私、テスト勉強で、見れないんです。つらい (8月25日 0時) (レス) id: 774efab444 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:3℃ | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/docee_3  
作成日時:2019年8月20日 14時

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