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捌拾壱 ページ13





「ねえ、不思議だと思わない?
貴方達人間だって私達と同じことをしているのよ?

生きるためには、食料がいる。
貴方達は動物を狩って獲って食べている…私達もそれと同じように、食料である人間を殺して食べているだけなのよ?

なのにどうしてこんなにも恨まれる必要があるのかしら??……不思議よね」

『私達人間と、貴方達鬼を一緒にしないで。
貴方達は限度を知らない、加減を知らない。

沢山の人の幸せを奪うだけ奪って、他人になんの幸福ももたらさない…貴方達はただとって喰うだけでそこから何も生み出してなんかいない。』


紐で痛いほどに縛られ、吊るし上げられたその子達に心の中で「今すぐ助けてあげるから」と伝えながら、私は霧鬼女を睨みつける。

霧が晴れたのは良かったものの、私を待っていたのはとんでもない光景で。

霧鬼女の背後、山頂付近の木々の至る所にはまだ息のありそうな人達が痛めつけられ、ぶら下がっていた。

鬼殺隊員ではない、町や村の人達が、ここまで傷つけられているのを見て、私は黙る訳には行かなかったのだ。



……何故なら、私も過去に、同じような思いをしたからだ。あれは、たった一晩の出来事だった。

私が幸せに、普通に暮らしていた町が、一夜にして無に返ったあの夜。

私はその中の、たった一人の生き残り。

家族も友人も普通の生活も幸せも…全部失った。
悲しかった、苦しかった、辛かった、怖かった。


でも、何より一番、何も出来なかった自分の無力さがただただ悔しかった。


もう二度とあんな思いはしたくない、あんな思いはもう私だけで十分なんだ……その強い原点が、これまで何度も何度も私を奮い立たせてきた。

だから私は今もこうして、ギリギリの状態でも刀を握って立っていられる。



「…目付きが変わったわね。まあ、変わったところで勝負はもう決まっているも同然だけど。

ここにいるのは普通の人間だけじゃないわ
……あの一番高い木を見てご覧なさい。

あの木にぶらさがっている人間は、特別なの
……私が何を言いたいかわかる??」


霧鬼女に言われるがままに、指さされた一番高さのある木に目をやる。するとそこには、また複数の人がぶら下がっていて。

その人達は、まるで大切に保管されているかのように、他の人達とは比べ物にならないくらい高い位置に吊るされていた。

そして、霧鬼女の言う「特別」がどういう意味を持っているのか…私はすぐにわかってしまった。



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Luccica6(プロフ) - あたしもリアタイで見ましたよ!見逃しではスクショいっぱい撮りたいです!義勇さんの表情がとっても豊かで面白かったですよね!義勇さん推しにはたまらない!! (8月25日 8時) (レス) id: 0e0c076021 (このIDを非表示/違反報告)
空讃岐 - 分かります!私もアニメをリアタイで見ました!私も義勇さん推しです!私もぎゆしのは地雷です。でも、恋愛じゃなくて仕事仲間としてなら大丈夫なんですけどね(笑) (8月25日 3時) (レス) id: 0f3cd23380 (このIDを非表示/違反報告)
無一郎と義勇が可愛いくて仕方ない隊(プロフ) - 顎の骨割れるw (8月25日 1時) (レス) id: 774efab444 (このIDを非表示/違反報告)
さな(プロフ) - カナヲちゃんの容赦ない蹴りで凄い笑ってしまいました.w (8月25日 0時) (レス) id: 5d24f2ef59 (このIDを非表示/違反報告)
無一郎と義勇が可愛いくて仕方ない隊(プロフ) - 来週私、テスト勉強で、見れないんです。つらい (8月25日 0時) (レス) id: 774efab444 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:3℃ | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/docee_3  
作成日時:2019年8月20日 14時

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