離れない光【アンナチュラル】 (ページ23)

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北瀬 Aは、

俺と同じ目をしている

「このまま、木林と平和に暮らしていけばいいだろう･･･」

頭が切れ、真実を知るあの男なら、お前を守ることができる

「ええ、そうでしょうね、

でも、先輩が私から離れないのは、

あの日のことを負い目に感じているからです」

違う

俺には分かる

木林のコイツを見る目は、昔の俺もよくしていた目だ

「負い目･･･

あいつはそれ以上に、「そんなの要らない！」」

初めて聞いた、叫び声だった

このガラス張りの部屋に反芻され、幾度も耳に響いた

「ねぇ、中堂さん

私もう嫌なんです

知らないままは･･･

今は、

愛なんて欲しくないの

幸せになんてなれないの

父や中堂さん、そうじゃなきゃ、あの人が隠しているんでしょう？」

静かに流れる涙が、光に反射して宝石のように零れ落ちる

昔から知る泣き顔に、思わず言葉が零れた

「･･･分かった

だから、泣くな

･･･泣かないでくれ

A」

久しぶりに名前を読んだ

北瀬の家が、内密に解剖して欲しいと大学病院に1人の遺体を持ち込んだあの日

付いてきていた少女

長袖から見える範囲にはほとんど包帯を巻いて、かろうじて見える首の上部分には青い痣があった

「お前はもう、知ってもいい

知るべきだ･･･」

もう妹のように馴染んだこの関係

幸せになれないなんて、

お前がいうんじゃない